中小企業診断士/行政書士 中村事務所

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突然の給食停止!

 

給食事業などを展開する会社が、突然、営業を停止し、影響は全国各地に広がっている。

 

その原因は、積極的な販路開拓で売上を拡大する一方で、①同業他社との競争激化による受注単価の低下で収益の目減り、②コロナで受託先の運営休止やオンライン授業による食事数の低下、③食材費や人件費の高騰で事業継続が困難になったようだが、あまりにも無責任な対応には驚きである。経営が困難になる背景は理解できるが、突然の営業停止がどれだけの人に迷惑がかかるのか、考えなかったのだろうか。

 

 

食堂運営会社『ホーユー』山浦芳樹社長曰く「ソフトランディングするため、関係各位と交渉してきたが、かなわなかったので苦渋の決断をした。食材費や人件費は高騰しているが、業界は非常に安い。ビジネスモデルは崩壊している」との事だが、これら外部環境の変化は急になった訳ではなく、事前に対策を講じればよかったのではなかろうか。

 

ムリな提示額による入札でシェア拡大を図ったのだろうか。確かに公的関係が発注先ならなら利益は少なくても安心安全だろう。しかし、持続的な経営が無理なことが分かっていて低い単価で受注しなければよかったのではなかろうか。

 

経営の合理化を進めて何とか対応ができなかったのか。その前に営業拠点を分散させ過ぎのような気がする。中途半端で脆弱な経営資源の会社が策定する経営戦略には無理だったのではなかろうか。

 

また、食材費高騰には補助金が出るのだが、それも1食30円しか出ないし、申請に手間がかかり従業員にこれ以上の負担をかけられないから申請しなかったとの事だが、これもおかしな話である。

経営者としてその判断が大きく間違っていることを認識しなければならない。

 

これだけの規模の給食をいきなり自社の都合で止めたら社会にどれだけの影響があるかわからなかったのか。

食べ盛りの学生さん、日本のために働く自衛隊や警察の皆さんはさぞかし悲しんでおり、関係者も含め大変な思いをしているでしょう。

こういうことが二度と起きないように自治体と事業者は考え直さなければならない。