店舗数では、693店と1位のスシロー。2位はま寿司574店、3位くら寿司532に差をつける。
コロナ禍の回転寿司業界で衛生管理に若干の批判があったり、客のイタズラ投稿や景表法違反で逆風が吹いたものの、さすがは商品力のあるスシロー。
すぐに再生し首位の座をキープしており、2位以下に100店舗以上の差をつけている。
今回も、回転レーンが各テーブルへの専用レーンに変更され衛生管理も強化されていた。
魅力ある期間限定企画で客を吸引し、ネタも新鮮で大きく顧客満足度が高い。
オペレーションも改善され、従業員の作業負担の軽減と生産性向上に貢献している。
60歳以上のシニアの顧客には、DXを推進するスシローにしては珍しく、紙のスタンプカードを発行。来店ごとに特典があるアナログ手法の販促だが、なかなか好評で、これも再来店を促す動機づけになっている。もちろん、私も持っている。
現在、スシローは日本、韓国、台湾、香港、シンガポール、インドネシア、タイ、中国大陸で事業を展開中。海外の店舗数は、韓国9店舗、台湾38店舗、香港25店舗、シンガポール9店舗、インドネシア1店舗、タイ18店舗、中国大陸36店舗だ(2023年11月末時点)。
スシローの広報担当者によると、海外店舗では店内のレイアウトや利用客の注文方式といったものは、基本的に日本のシステムを流用している。そして、利用客の嗜好(しこう)に見合った寿司をレーンに流す「回転すし総合管理システム」も海外で活用されているという。
回転すし総合管理システムは、皿にICタグを取り付けることで、どのネタがレーンから取られたのかをリアルタイムに把握し、そのデータを基に高い精度で需要を予測するのが大きな特徴だ。このシステムにより、廃棄ロスも削減できたとしている(出所:F&LC公式Webサイト)。
スシローは原価50%と高い。その分、効率的なオペレーションで人件費比率を抑制している。店長の平均年齢も20代後半で賃金を抑えており、ピーク時であってもホールのスタッフは4人程度。
人手が不要なくらい入店~食事~会計までの一連のプロセスを機械化・自動化で仕組みを確立し、人が接することなく、お客さんが美味しい寿司を食べて満足して帰るシステムを構築している。
通常60%以内に抑制するFLコスト(原価+人件費)だが、原価の比重が高く商品の満足度の高さが競争優位の源泉である。
これからは、スシローと同様に人気があり追随する「はま寿司」や「くら寿司」の巻き返しにも期待したいものである。