中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

現状価格を維持できなくなった外食業界!

円安・物価高により現状価格を維持できなくなった外食業界。コロナ過でも業績をあまり落とすことなく堅調な経営をしていた回転寿司チェーンだが、企業努力ではどうしようもなくなったため、価格への転嫁を考え出してきた。

 

 

先月(10月)、値上げしたスシロー、値上げと値下げを同時に実施したくら寿司、価格据置の元気寿司だったが、業績に大きな差が出ている。スシローは売上と客数が20%前後の低下、くら寿司は客数が前年比を下回ったが売上は6.1%の増収、元気寿司は客数・売上高ともに前年比を上回っている。賃金が上がらない中、価格により敏感になってきたお客の行動が顕著である。

 

その中で、スシローが発表した2022年9月期決算については、コロナ禍に加え一連の不祥事で客足が鈍化し、純利益が前期比72.6%減となったようだ。会社が成長し組織の規模が大きくなれば個人や現場の存在は小さくなるが、そういう傾向が出てきたのだろうか。なくては困る存在だけに本部と現場が一体となってもう一度再起をかけ頑張ってほしい。

 

また、飲食店でお客を常連化させ固定化して顧客基盤を盤石にするには、店員との直接会話によるコミュニケーションで親近感や信頼感を得る必要がある。でもコロナの状況では、オペレーションの機械化・セルフ化で、人による客への対応は少なくなっている。

 

回転寿司に於いては、入店して席案内は入口で機械に入力し席の発行券を持って席に着き⇒水やおしぼりはセルフサービス⇒タッチパネルで料理を注文⇒回転レーンで料理が到着⇒精算はセルフレジ、と店員さんと会話することが全くないし、店員さんもそれが普通だと割り切っている。いつになれば通常の営業形態になるか。それとももうこのままか。外食の良さがだんだんなくなっているので寂しい気持ちになる。