中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

コロナ収束で外食環境が変化!

 

かっぱ寿司が営業秘密の持ち出し事件により叩かれた。スシローもおとり広告、フライング表示、品切れ騒動、など相次ぐ失態で謝罪と返金を求められたりと多くの問題が発生し、今、回転寿司業界を取り巻く環境が混乱している。

 

せっかく長年の努力によって築き上げた信頼の証であるブランド力を一瞬で低下させてしまうこの事態に経営陣はどう思うのであろうか。現場で一生懸命働きお客様の信用・信頼を強固なものにするために頑張った従業員が気の毒だ。一度築き上げた信用を取り戻すのは大変。あれだけ美味しい寿司を安く提供し客から支持されているのに勿体ない。

 

多くの外食店がコロナ禍に苦しんだ中、回転寿司は店舗の省人化などを推進し市場を拡大してきた。老若男女に人気のある外食市場で絶対的存在の回転寿司。大手5社で寿司市場の約8割を占めているが、特にスシローは店舗数が(5年前484→今1074店)と増え絶対的存在だった。いろいろ問題があってもいつもお客さんで、いっぱいこのお客さんの支持を重んじ、本部と現場が一体となり顧客満足に向け、今後も頑張って欲しい。

 

また、各外食店が値上げする中、サイゼリヤは「値上げしない」を宣言した。最優先にコロナで減少した客足を回復させる事が狙いのようだ。さすがはイタリア料理に専門化し、理系の経営陣により合理的な運営基盤を確立させているからできる事であろう。海外事業が国内とは逆に円安で収益が好調な事もあると思うが、お客さんの満足度が高い店ランキングで常に上位の店。今後も期待したい。

 

ところで、コロナ禍で急成長した8千億のデリバリー市場。コロナが収束しつつある今、今後どうなるか気になる。仕事のリモートワークや生活様式に定着したとは言え、伸びは鈍化して各社の競争は、より激化するだろう。ウーバーイーツも出前館も最近めっきり減ったような気がする。

 

自前のデリバリー部門で対応する大手外食店からの注文が減る中、自らがゴーストキッチンを設立か買収し収益機会を増やしていき収益機会の増大を図るしかないか。持ち帰りの弁当店も需要が若干減少しているようだ。

 

やよい軒」や「ほっともっと」を展開し、東証プライムに上場するプレナスMBOを実施し上場廃止にする予定である。非公開化で株主に遠慮せず、思い切った経営改革を急ぎ、コロナ収束後の本格展開に向け経営基盤の刷新を図るようだ。これから外食市場は、少子高齢化による市場縮小と原材料高騰などで経営が更に厳しくなるからどこも大変だろう。

 

そんな中、外食業界でM&Aが復活の兆しを見せている。コロナ拡大に伴って同業界では2020年から2年連続してM&A件数が減少していたが、2022年は前年を上回るとの事。コロナ禍で業績悪化に苦しむ企業が多く売却対象となりがちだが、一方で、他業種企業による買収が増え、コロナ後を見据え飲食事業への関心の高さが見て分かる。上記のように外食を取り巻く環境は大きく変化している。みんな知恵を出し合い生き残りに必死である。