新型コロナウイルスで外食産業は大きな打撃を受けたが、業態によって明暗が大きく分かれた。
売上の落ち込みが最も激しかったのが居酒屋や焼き鳥チェーンだ。5月の既存店売上高は前年同月比87.9%も減少。対照的に好調だったのが、ファストフードチェーンだ。日本マクドナルドホールディングス(HD)が運営するマクドナルドは5月が15.2%増、日本KFCHDが展開するケンタッキーフライドチキンにいたっては5月に37.6%増を記録した。
ファストフード以外の業態は壊滅状態で、急遽、ランチを営業したりテイクアウトやデリバリーを加えたりしてお金と食材を回しながら、また従業員の雇用を守りながら苦肉の策を講じたが、中には店舗イメージを悪くしただけで何の効果もなかった店も存在するようだ。特に焼鳥チェーン店は悲惨な状態のようだ。
この違いは明白である。何故なら、元々日本は出前文化があり、デリバリーに対する抵抗感がない。そういった中、今回のコロナ騒動で外出禁止になっても出前をすぐに受け入れられるのである。ファストフードはこの騒動前からテイクアウトを普通に販売していたので躊躇することなくすぐに積極販売にシフトできたのだ。だが、一方で焼鳥チェーンや居酒屋チェーンはそういうことを一切していなかった為、新たなオペレーションの仕組みを確立せねばならぬ、一回始めると途中で止める事も困難だからスタートに時間がかかったのである。
デリバリー強化の課題も多い。出前館やウーバーイーツなどを活用する場合、消費者が支払う価格は高くなってしまう。店内飲食とデリバリーの価格差があまりにも広がると、消費者はスーパーで素材から買い物をしたり、惣菜を買ったり、若しくは、持ち帰り弁当にシフトするようになるので難しいものである。
店内飲食の売り上げ回復に時間がかかる中、各チェーンはテイクアウトやデリバリーうを一斉に始めた。しかし、課題は山積みで、各社の苦悩の日々は続く。
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