中小企業診断士/行政書士 中村事務所

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コロナで飲食店の優勝劣敗が明確に!

 

コロナにより、飲食店の経営は厳しい状況に置かれている。特に、お客さんの外出規制や感染予防対策として国や自治体からの営業自粛要請で殆ど営業ができない状態である。

 

都心部の飲食店の来客数は前年比75%ダウンだそうだ。薄利で損益分岐点90%程度の飲食店が、これだけ長く来店客が激減したら、潰れるのは時間の問題だろう。最近は新規感染者数が減少しているが、コロナ前の状況になるには時間がかかりそうで戻れるとは限らない。この状態が続き外食の存在意義が薄れてくるのは寂しいもの。

 

 

 

そういった環境の中で、外食大手の「すかいらーく」は売上が前年比23%減の2884億円で赤字に転落し、営業損失は230億円である。だが、同じ大手でもマクドは全店売上過去最高、最終利益約20%増と差が明確だ。ケンタッキーもデリバリー需要にうまく対応できたようだ。コロナで優勝劣敗が明確になったか。

コロナで「即食、独食」の牛丼やF F業態の落ち込みはまだマシなようだが、ゆったりとした雰囲気が売物のレストラン業態ほど業績不振が顕著なようだ。

 

同じく「グルメ杵屋」も環境の変化にうまく適合させ経営を持続させる為、持ち帰り・デリバリー需要の拡大に対応した実験店をオープンした。とりあえず今は3業態を立ち上げ、今後は多業態を持つ強みを発揮して、他ブランド商品も組み合わせ販売する。前年から高齢化の進展で需要が高まる事を予測して、持ち帰りには力を入れてきたが、既に前年比400%超えで、店内飲食の減少を補う勢いである。今後も楽しみのようだ。

 

 

テイクアウやデリバリーにうまく対応できた業態は業態は危機的状態から脱したようだが、その他では、コロナ禍でも強い言われる回転寿司と焼肉はそこそこの業績である。回転寿司はテイクアウトやデリバリーにも対応し、短時間での食事需要にも適し、単価的にも低いから魅力がある。

その好調な回転寿司ではスシローが絶好調だ。スシローは蓋なし寿司が回転レールを回り続け、感染予防対策としてはどうかなと思う点もあるが、圧倒的な商品力で競合他社に差をつけているようだ。

一方で焼肉は高単価だが換気対策に優れており、ゆっくり食事を堪能できるから限られた外出機会にピッタリ。このように環境変化にうまく強みを発揮した業態は強い。

 

 

 

それにしても、店は自粛で苦しい思いをしているのに客は騒ぎ放題。店もそういう客が来ると対応に困ってしまう。「もっとお静かにお願いします」は金を使ってもらうという立場の弱い店は言いにくいもの。また20時に閉めないといけないのに優越的な力関係を利用して居座る客もいる。注意したいがSNSでの酷評も気になり我慢する。今、一番必要なのはお客様教育か。

 

また、ここ最近、老舗飲食店が廃業するケースが多い。後継者不在で将来が不安視されている時に、コロナによる業績不振が加わり、それがきっかけとなって決断した店も多いようだ。高齢化した社長と取り巻きの幹部社員では環境変化に、柔軟且つ迅速に対応できず、業績悪化が止められないようだ。老舗ゆえの廃業ケースである。

 

2025年、最もボリュームゾーンである団塊世代(1947年~ 1949年)の社長たちがみんな75歳を超え、平均社長引退年齢である70歳を大きく超える。245万社の半数127万社は後継者不在で廃業も検討しているようだ。地域経済の担い手である中小企業の存続の為にも早く対策を講じなければならない。

 

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