大手ファミレスの「すかいらーく」は、昨年末迄に3000台の配膳ロボットをガストなど傘下の業態、約2100店に導入したようだ。人とロボットが協働したオペレーションの確立で作業効率を高めるようだ。ガストではランチピークの回転率が2%上昇、片付け完了までの時間が35%削減、従業員の作業歩行数は42%削減しているとの事だが費用対効果はどうかなと思う。
従業員に聞けば、本部から料理提供はできるだけ配膳ロボットを使うようにと指示が出ているようである。たまに料理を厨房から客席まで配膳ロボットが、それを従業員がついて行ってロボットからお客さんに料理を手渡している光景を見て笑ってしまう事がある。
先日、同じ傘下の中華ファミレスの「バーミヤン」に行ったが、ラーメンを配膳ロボットがゆっくりと運び、餃子を店員さんが運んでいた。ラーメンなどはお客さんが料理を取る際にも危なく、また麵が伸びやすい。
料理を考えて客席に提供する必要があるが、それができておらず、がっかりしたものである。
また、ガストなど一食完結型の料理提供の業態の場合は、配膳ロボットでも活躍の機会は多いだろうが、焼肉食べ放題などで一品料理の追加がやたらと出る業態は、従業員と配膳ロボットが入り乱れ、オペレーションが煩雑になっている。こういう場合はロボットを活用しない方が作業も混乱せずに、いいなと思ったものである。
少子高齢化がより一層進展し、お客さんの数も減るが働き手の数も減ることが予想され、労働集約型の飲食業界は大変だ。その為、人と機械をうまくかけ合わせ顧客対応力を強化しなければならないから、機械化・自動化・省力化はやむを得ない。感染対策にもなるから人との接触機会を減らすのも当然になるだろうが、効果と効率をよく考えてやっていただきたいと思う。