中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

飲食店の買収!

飲食店の買収で買手の目的は時間を買うのも一つ。有形資産の価値は決算書を見ればわかるが、店の将来価値である無形資産(知的資産含む)は従業員が持っている場合が多い。熟練調理人など高度な調理技術の属人化、常連様を固定化しているベテラン接客員などは一例である。

 

業務の効率化を目的に誰でも同等の調理や接客対応を可能にする為、デジタル技術を使ってタブレット端末を各自が使用し、マニュアル化や共有化ができるものもあるが、総ては難しい。

 

したがって買収されることを理由に主要従業員が辞めた後の空箱を買わないように配慮が必要である。チェーン展開しているファミレスと違って高単価の商品・サービスを提供する高級店は特に高度な専門技術やノウハウを持ったキーパーソンを買うという強い動機があり、その人達に気持ちよくやりがいを持って店舗の業績向上に貢献してもらう為の気遣いが大切だ。

それは単に給料を上げるといった金銭報酬だけでなく、買手が将来性のある明確な理念とビジョンを示す必要がある。そうしないと処遇が気に入らなかったり先の夢がないとなると優秀な従業員は辞めてしまうことになる。

 

価値ある店を買うことが目的と狙いなのに、買収の手続きを疎かにしたため、単なる空箱を買ったら高い買い物になり将来後悔することになるであろう。