昨日は事業承継で人気飲食店の後継者となった娘さんと打合せ。経営者であった父の急死で、後継者にはならされたものの、まだまだ若くなかなかうまく事業を承継できなかった娘さん。
叔父さんが調理長として働いていたが、その叔父さんとの関係悪化で店内に不穏な空気が漂い、店舗運営に支障をきたしているとの事。
経営者の娘と調理長の叔父の衝突という親族内の見苦しい争いだが、叔父さんが従業員全員と結託し、経営者である娘さんが追いやられた格好になってしまっている。
娘さんに、従業員全員を連れ店を辞めるとクーデターを起こす強きな叔父さん。経営者でありながら、力関係が逆転しており、叔父さんにいいように利用される娘さんという構図だった。
最初は作り笑顔で悩みを打ち明けられる娘さんだったが、本人にとっては難儀な問題で相当な苦労されていたのであろう。「解決策はいくらでもあるから安心して」と説明したら、娘さんはホッとされたのか号泣されていた。
かつては親族承継は9割以上だった。しかし少子化や、景気が右肩上がりの時代とは違い「(息子や娘に)継がせられない」「継がせたくない」と考える経営者や、「継ぐのは無理」「継ぎたくない」と考える二代目が増えてきたことで年々低下している。
今や中小企業の事業承継での親族内承継は、小規模事業者は65%、中規模企業では42%にとどまる。親族内承継は周囲からの理解も得られ、円滑な事業承継が可能になりそうだが、もつれると泥沼状態に陥るものである。
私もこういったお家騒動には何度か遭遇してきたが、今回のような強烈ないじめはあまり類を見ないので驚いている。店の資産価値が低下する前に事業譲渡も視野に入れ、早速動くことになった。