中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

子や孫の代のことまで考えた商店街づくりが大切!(上)

 

 

飲食店は個店で集客力を高めるより、ショッピングセンターや商店街などの集合店舗に出店して集客の負担軽減を図る店も多い。集合店舗全体で効果あるマーケティングを実施してもらい恩恵を享受するのである。単独で実施するより効果は高いだろうから魅力的である。

 

 

後継者の仕事 進化の時代に必要な「経営のあり方と戦略」

後継者の仕事 進化の時代に必要な「経営のあり方と戦略」

  • 作者: 次世代の事業継承研究会赤岩茂,藤井正隆,坂本光司
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2019/09/14
  • メディア: 単行本
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親の会社を継ぐ技術~後継者のゆく手をはばむ5つの顔を持つ龍とのつきあい方~

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そういった集合店舗だが、計画的に開発されたSCと違い、自然発生的にできた商店街は苦戦を強いられているところが多いようで、シャッター商店街と揶揄されている所も多い。もちろん、中には外国人観光客や認知度の高いチェーン店を誘致し、活性化に努力する商店街もあるが、それはまだ少数である。

 

その商店街の業種構成を見るとやはり飲食店が最も多く、生鮮食料品などの最寄り品店、衣料品など買回り品店が続いているようである。飲食店も昔から地域密着で商売している店は地元客に愛されており、安定した経営ができているようだ。商店街の活性化策として昔ながらの地元店と認知度の高いチェーン店をうまく融合させている商店街もある。

 

 

 

チェーン店はある程度の経営基盤があるから、業績不振だからとすぐに撤退することもないだろうが、人気のある店でも長続きせず、既存店売上は前年割れが多く新規出店で何とか体裁を保っているチェーン店も多いようだ。だから個店の勢いに依存せず、点から線・線から面、と意識した街づくりが肝要である。

 

飲食店は飽きやすく惚れやすい消費者への対応と模倣されやすい点から持続的な成長は難しい。一方で永続的に頑張っている老舗飲食店も存在する。こういう歴史が物語る老舗の魅力は店への魂の入れ方が違う。熱い思い入れで業績は大きく変わる。

 

 

やる気がなく惰性で商売している店の業績不振は顕著である。活気ある商店街の構成メンバーとしての自覚と責任を持たせるような商店街の仕組みが必要だ。要は一生懸命に商売しなければこの商店街に入られないというブランド価値のある商店街が理想であろう。

 

 

 

地権者の反対で、なかなか最適なテナントミックスが実現できない商店街で空き店舗をチャレンジショップとしている商店街も多い。先日もある商店街で、若者(イートインコーナーもある魚屋さん)に開放していた。しかし近隣店舗から生臭いと苦情の嵐でついに団体で店に抗議にきて、その若者も困った状態だ。

 

 

その若者の運営にも問題があるかもしれないが、商店街の活性化に寄与してくれているのも事実。もう少し寛大な対応をして若者にやる気を喚起させるようにはできないのだろうか。そんなことをしていたら商店街活性化に貢献しようとチャレンジしてくれる若者はいなくなる。

 

 

商売するには通常、家賃など固定費が発生する。費用構造的に見ると約2割程度を占めるこの固定費(管理費)の負担は大きい。売上があろうとなかろうと発生するのだから、可能な限り抑えたいものである。

 

 

 

だが地権者の場合はそれらが必要ない店も多いので、気楽に商売されている店主が多く店を閉めても特に気にしない。この住宅兼店舗、殆どが自ら所有しているので家賃がいらないと気楽なものである。そんな状態で開けているのか閉めているのか分からない、やる気が見えない店も多いことが、商店街全体の地盤沈下が進む要因でもある。

 

 

 

店主の高齢化が進み、継ぐ子供がいない為に後継者不在で廃業する店、子供はいるが親の店に魅力を感じず継いでくれないから廃業する店、などでシャッター街になる商店街。そういった店が、遊休地にさせるのは勿体ないからと、借手を探そうとする店もあるが、なかなかうまくいかない。

 

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・・・・・・続く