中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

物価高騰の今、価格設定が難しい!

 

 

 

 

 

資源価格の上昇と円安の進行などで様々なモノが値上がりしており、あらゆる供給業者がこの物価高騰を背景に値上げして、利益を確保しようとしています。

 

 

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中にはデフレが長く続き、なかなか値上げができなかった店がこれを機会に便乗値上げする動きがあるのも事実でしょう。

 

加えて、物価は上がるのに賃金が上がらない国民の不満に対して、政府主導で賃上げムードを実現する各種施策と気運を高める動きが活発になっており、何でもかんでも値上げする実態に感覚が慣れてしまった消費者も多いでしょう。

 

 

外食店も当然に、値上げする動きが活発で、もう仕方ないと他店に追随し値上げする店が多いのが実情ですね。

 

 

店の中には、お客さんが「今までが安すぎたんや、今後も頑張ってくれ、絶対に来る」とお客さんが応援してくれる店もあれば、顧客離反が著しい店と極端に差がある。

 

普段から顧客提供価値(バリュー・プロポジション)を高める努力をしている店かそうでないかの自店分析し、値上げに客がついてきてくれるかを熟考し、誤った判断をしないようにしなければならないですね。

 

「餃子の王将」は今期中間決算で、売上が前年比10.2%増の497億円と過去最高を更新しました。 「餃子の王将」は昨年に実施した2度の値上げ後も客足は衰えず、外食市場の回復を受け店内飲食が大幅に改善しました。

 

 

加えて、テイクアウト需要も続き、売上は20カ月連続で同月比の過去最高を上回っています。 営業利益は30.6%増の49億円と営業利益率は10%と大手外食の模範店ですね。

 

 

値上げしても顧客離反を起こさない事業基盤の強さはさすがだと思います。

 

また、今期も大幅増益が好感されて2000年以降の株価が最高値なのが「サイゼリヤ」です。

 

今期の営業利益は81%増の見込みで、値上げしない宣言で競争他社との差別化を明確にして絶好調です。 8月営業利益が前期の17.1倍に急増し、今期も営業利益が81%増の見込みです。

 

 

人件費や物価が高騰し、利益を出せない外食企業が多い中で顧客から絶対的な支持を受ける「サイゼリヤ」はさすがです。

「餃子の王将」と「サイゼリヤ」の経営戦略は素晴らしく、これからも応援したいですね。