中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

外食を取り巻く環境は厳しい!

日本は外食慣れした人が多く、品質に対する目が厳しいからコスパの評価も手厳しい。昔は情報量も店の方が優位だったので、情報格差から店側が主導権を握り料理の価格や内容などを決め客は出された料理を食べ請求された代金を支払うのみだった。だからある意味、店側も儲かっていたところがある。

 

しかし今は、簡単にグルメ情報を検索できるなど、ネットなどを通じて客の情報量が多くなり、店側の優位性がなくなりつつあるからやりにくい。情報武装したお客様への対応は簡単ではなく、それらが結果として店側が楽して利益を確保する機会が減り、飲食店の営業利益の低下を招いている。

 

また、店に対して客が不満に感じたらSNSですぐに発信し、店側が叩かれるケースが増えている。昔は料理撮影は禁止だったが、インスタ映えの時代にそんな事を言ったら笑われ顧客は二度と来ない。もちろん料理は目で食べるものでもあるが、店によっては味よりも見栄えを重視している店もあるからおかしい。他店の写真をSNSで見て真似する店も多く、模倣料理が増え、個性がなく差別化する事も難しくて大変である。

 

最近の飲食店は、円安・物価高・人手不足など店を取り巻く外食環境には逆風が吹いている。ファミレス日本一の店舗数を誇るガストも100店閉店するようである。がストは豊富な品揃えと低価格を武器として店舗を増やしてきたが、今年に入り値上げを続け、来月からも値上げする。

 

物価高や人件費高だから仕方ないだろうが、顧客離反を加速させまた更に店が減るのではとガスとファンの人達は心配してしまう。2位のサイゼリヤが追随しており競争がより激化しそうだが、適度な競争は喜ばしいこと。だが、過剰な競争は店の撤退が相次ぎ、お客さんの為にもならないので避けてほしいもの。

 

その物価高であるが、マクドナルドもハンバーガーなど約6割の商品を明日から値上げする。だが値上げしても、ビッグマックアメリカと比較すれば3分の1程度らしく、日本ではいかに安く売られているかが分かる。

 

ビッグマック指数を見るとベトナムよりも日本の方が安いとのことである。円安、日本のデフレ、アメリカのインフレは深刻だ。採算が取れず日本から撤退する外資も多いようだが、今後どうなるか、この点も心配になる。

 

加えて、これはコロナ前から問題視されていたが、飲食店の人手不足は深刻な問題である

いつも店が開いているはずの、ご飯食べ放題の定食チェーンの「やよい軒」だが、先日閉まっていた。

 

昨日、行って聞くと人手不足で、社員も休めない状態のようで、今は水と金を定休日にしているとの事。飲食店でこれだけ休みがあるというのは信じれないことである。開けたくても人がいない為に開けられないとは誠に残念であり、経営が厳しくなるのは当然である。子のように、コロナ禍の人手不足は特に深刻で、どの店もバイトのシフトを組むのに苦労している。これから先、どうなるか心配で仕方ない