飲食店の中には、料理は素晴らしくても数字が苦手なオーナーシェフがおられる。厳選
素材へのこだわり、長年蓄積した調理技術とノウハウで、美味しい料理を提供し、お客
さんに満足され、その笑顔が見られるだけで十分と言われる。だが、その笑顔をずっと
見る為にも、採算管理をきっちりして店に利益を残さねばならない。
飲食店経営の3大コストであるFLR。Fはfood(材料費)、Lはlabor(人件費)、Rはrent(家
賃)。そんな費用構造の外食店でタピオカ店跡地に出店する唐揚げ専門店が多い。
鶏肉は材料費が安く原価率が抑えられる。設備もフライヤーがあれば十分で、持ち帰り
店ならあまり人も必要なく人件費も低い。商品自体は幅広い年齢層に人気があり、お酒
のつまみやご飯のおかずなど用途も多い。店の規模も小型で賃料が安く、しかも好立地
にこだわる必要もないからピッタリなようだ。
今は唐揚げ専門店の出店が増え、競争も激しくなっているから品質は向上し価格は下が
るといった消費者にとっては喜ばしい状況にある。コレラにより、スーパーの総菜売り
場でも販売される鶏のから揚げも最近は品質が高まっているように思える。やはり競争
が激化することはいいことである。今後もこの傾向に期待したい。