中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

飲食店の明るい未来に向けて

 

 

居酒屋「白木屋」等を展開する外食大手のモンテローザが都内61店を閉店するようだ。大手が倒産すれば経済に与える影響は大きく、雇用も不安定になる。ランチまで自粛を求められサイゼリヤの社長が怒るのは危機感の表れだろう。

 

小規模店は時短協力金で助かるが、長い業績不振で経営体力が低下した大手にも支援が必要なのは当然だが、東京では大手には出ないという事だった。大手からの苦情が相次いだから大手にも協力金を出す方向で修正しているが、今頃かと言う感は否めない。もう既に緊急事態宣言が発出され、要請に従う大手と従わない大手があったがどう対応するかだ。

 

家が大きいと金持ちと思われがち。会社が大きいと資金的余裕があり、銀行に対しても交渉できるから乗り切れるだろうと放置される。

外食大手もとりあえずは金融機関からの借入で延命させているが、これだけ長期に渡り売上が激減しているのに、国や自治体から何の支援もなければ潰れるのは当然。既に大手外食の短期借入金はコロナ前の4.6倍との事だ。

 

大きいから余裕があるだろうではない。固定費の負担が大きく、それだけ支払いが多いという実態を理解しなければならない。もし倒産となれば、その支払いを受けていた多くの事業者や雇用者が気の毒な結果となる。

そうなった時に誰が尻拭いするのか。

規模・売上・従業員数も考慮し、画一的平等より合理的公平な支援が必要だろう。

 

 

 

こういった強い逆風が吹いている外食産業の中、直接的・間接的に被害にあっている事業者が多いのが実情である。コロナで飲食店に納品予定だった食材を巣篭もり家庭を販路にしている卸売業者も相当な被害を被っている。時短で進化する宅配サービスの中、朝に仕入れ調理し家庭に宅配する魚屋さんもある。顧客の声を直接聞けて次のサービスのアイデアになるようだ。朝外食に活路を見い出す居酒屋店もあり、みんな努力して生き残る為に頑張っている。

 

生き残りをかけた外食大手で客が来ないならということでデリバリー専門店の出店を急いでいるようだ。次は店を構えずキッチンカーでの出店も計画しているようだ。大きくは稼げないが、家賃は駐車場代、人件費も最小限で固定費の負担軽減が可能である。その分を原価に充当できて商品力で差別化を図る。立地で経営が左右されやすい中で、立地環境の変化に対応できる事が魅力なようでもある。セントラルキッチンの稼働率も上がり採算悪化に歯止めをかける為に必死の様相を呈しているようだ。

 

 

 

もちろんそんなメリットばかりではなくデメリットも当然にある。①天候に左右されやすい、②出店場所の選定・確保が難しい、③調理器具や設備が限定される為、提供できるメニューが絞られ効率性は高いが魅力が乏しい品揃えとなる、④仕込み場所の確保や食材の保管、調理・接客などで通常の飲食店のようにはできない、等があり、限られた条件の下で、いかに効率化・差別化を図っていくがポイントであろう。

最近はキッチンカー市場の発達に伴い、キッチンカーの制作・販売だけでなく、そういった各種申請の代行やサポートに加え、出店場所の斡旋まで行ってくれるサービスもあるから便利にはなっているようだ。

 

なかなか収束しないコロナに不安だらけの経営者は多いだろうが、「withコロナ」を念頭に今の提供内容に新たな取り組みを付加して顧客満足を追求して生き残りを図ってもらいたい。

 

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
にほんブログ村

誠に恐れ入りますが、ランキングに参加していますので

ポチッと頂ければ嬉しいです。宜しくお願いします。