中小企業診断士/行政書士 中村事務所

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成長する中食市場!

消費税軽減税率、女性の社会進出や、少子化・高齢化・結婚しない人が増え少人数世帯の増加という社会環境の変化を背景に、食の外部委託化比率が高まっているが、中食市場は成長分野に位置づけられ、市場が拡大している。2018年も9年連続で市場が拡大し、市場規模が初めて10兆円の大台に乗ったほどである。

 

 

 

たかが2%、されど2%、と消費増税の影響を受けない中食が、影響をもろに受ける外食を横目に著しい伸長度である。外食との線引きの困難さと統計の取り方が曖昧な部分はあるが、確実に伸びているようだ。共働き世帯の増加など社会的背景が成長要因にもなっていたが、今はそれだけではないようだ。

 

内食・中食・外食と「食の市場」はカニバリゼーション状態だが、中食は外食市場が縮小する中で勢いを増している。20年前は外食の29兆円、中食の6兆円と言う市場規模であったが食の勢力図は大きく変化している。

 

 

 

調理の簡便化ニーズに合致し、しかも家庭ではできない美味しさもあり、消費税も8%と据え置き。粗利益率が高く限りがある店舗スペースの中で客の回転率も高いから店側も力を入れている。

 

 

「働き方改革」による労働時間短縮で、主婦など女性は時間の余裕はできている筈だが、相変わらず依存する人が多い。それだけ安く食材を買って一から料理を仕上げるより、少し高くても手間がいらず美味しい惣菜などの方が、時間の有効活用も含めて価値が高いと消費者が判断したのであろう。後は手抜きという罪悪感との戦いだ。

 

「中食」はレストランなど外出先で食べる「外食」と家庭内で手作り料理を食べる「内食」の中間で、家庭外で調理・加工された食品などの市販の弁当や惣菜などを家庭・職場・学校・屋外などへ持ち帰り、調理加熱することなく食事として食べられる状態に調理されている、日持ちのしない食品の総称のことを指す(農林水産省より)。

 

 

中食は3タイプに分類される。

 

  1. テイクアウト型= コンビニエンスストア、スーパー、デパ地下などで購入

 

     2.デリバリー型 =ピザや寿司などの宅配

 

     3.ケータリング型 =自宅など特定の場所で、シェフや栄養士などに調理してもらう

 

 

 

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『2019年版惣菜白書』によれば、18年の惣菜市場規模は前年比2.0%増の10兆2,518億円となり、10兆円を初めて突破した前年からさらに拡大した。同協会の調査によれば、惣菜市場規模は唯一09年、調査開始以来の減少となったものの、その後は再度成長軌道に乗っており、9年連続での市場拡大となっている。

 

業態別では「GMS(総合スーパー)」が2.9%増、「CVS(コンビニエンスストア)」が前年比2.4%増、「SM(食料品スーパー)」が2.4%増、「専門店、他」(惣菜店、弁当店、給食業者、寿司販売店など)が1.2%増とそれぞれ伸長した一方、「百貨店」は1.3%減と前年を下回った。

 

 

 

 

中食を担う各業態が、家庭内調理の代行として消費者ニーズに応え続けてきたことが市場の拡大につながっているようだ。確かに若干の割高はあるが、その高い分を上回る付加価値を提供できているから、市場に於ける存在意義があるのだろう。

 

 

総菜専門店の商品ラインアップを見たら充実され、家で自らが創り上げるのは困難な商品が豊富に揃っている。核家族化が進展している中、単身者を含め少人数世帯の人が、スーパーで食材を購入して作るには多くの食材ロスが発生する事も多い。

 

 

 

また専門店ならではの味を家庭では作ることはムリだろう。社会環境、消費者ニーズ、競争環境から勘案しても市場が今後も更に伸びるのは当然だろう。本当に便利で美味しくなった惣菜。今後も、各社が競争を繰り広げることで品質向上・価格下落の恩恵を受ける消費者は感謝している。