中小企業診断士/行政書士 中村事務所

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コロナ後の外食はどうなるか?

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大阪市内で今年4月~11月までの間に飲食店3.533店が廃業届けを出したと発表された。廃業者数は前年比3割増しで、廃業届けを出さない店もある事を考えると深刻な問題である。1997年に市場規模が29兆円あったが、その後デフレもあって25兆円まで縮小した外食市場。

 

今年の飲食店は2月からのコロナ感染による自粛で長期に渡り特定不況業種だった。その落ち込みを稼ぎ時の12月に挽回しようと頑張っていた店も、3回目の時短要請で力尽きる店が出てきそうで、今後も更に増えそうだ。元々、後継者不在で事業の継続を悩んでいた店は、これを機会に廃業が増えそうで心配される。

 

 

そういった市場環境の中で、不振業態の居酒屋から好調な焼肉に業態転換した「ワタミ」が注目されている。コロナによる宴会需要の減少で業績低迷の外食業界の中、焼肉店は比較的好調で、他業態も参入を急いでいるようだ。

 

ワタミ」はコロナ前の居酒屋時の売上と比較して3倍近くに伸びるなど好調だ。無煙ロースターによる換気、特急レーンによる料理提供やロボット配膳など、非接触型運営の徹底でファミリー客に向け、安心・安全もアピールし、ピンチをチャンスに転換させている。

 

焼肉は無煙ロースターで換気対策が優れており、加えて客が自ら調理を担うので、コックレス化が可能で、人件費の低減で利益率も高い。競争が激しくても市場の拡大が期待できるから魅力的だ。来年は丑年だから更なる飛躍ができるか期待される。

 

但し、焼肉店は居抜きをうまく活用するならいいが、一般的にイニシャルコストの負担が重く、ランニングコストの低減ができねば、投資回収が困難な場合も多い。私も以前、焼肉店を経営していたから、この苦労は経験済みである。

 

 

それと、もはや国民食でもある唐揚げの持ち帰り店も増加中である。家で油料理は大変で汚れるからも人気の理由。店も小型だから初期投資が削減でき、単純化運営だから損益分岐点も低い。

 

ワタミ」は999万モデルを開発しFC展開を計画している。競争激化で品質向上と価格低下が期待できるが人気過ぎて飽きられなければいいが。

 

また、市場環境の変化をうまくビジネスに活用した事例では、ATM跡地で唐揚げや高級食パンなどのグルメ店も人気があるようだ。わずか5坪程度の広さだが、駅前好立地を有効活用している。コロナでイートインスペースの必要がなく、テイクアウトに専念するにはちょうどいい広さだ。キャッシュレス化でATMを閉鎖する銀行が多いから、今後も増えそうで、絶好のビジネスチャンスである。

 

以上のように、消える店もあれが工夫をして参入してきて元気な店もある。いい意味での新陳代謝になればいいが。

 

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