「桜を見る会」で与野党の攻防が過熱している。報道も大きく時間を割いてこの問題に取り組んでいる。追い込まれた安倍首相は防戦一方で、どう逃げるか頭を悩ませているようで、官房長官の記者会見での歯切れの悪さが物語っているようだ。ブログに乗せていた各議員など関係者も削除に必死だ。そこをまた後ろめたいから削除するのだと、責め立てる野党議員。
なぜ人と組織は変われないのか ― ハーバード流 自己変革の理論と実践
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野党も政権交代の千載一遇のチャンスとばかり攻勢を仕掛けている。こんなことで政権交代などできる訳ないだろうと揶揄する国民。また、「今政権とってもやれるのか」という批判の声が多い中で、野党も何を考えているのか、やる気満々になっていて滑稽である。
自分達の親分を守るべき立場の自民党議員も党内で冷や飯組は、「これ見たことか」と批判側に回っている。また最も守らないといけない立場の二階幹事長の、「何が問題か」というふてぶてしい開き直り発言も火に油を注いでいる。長期政権によるおごりや傲慢さが以前から指摘されているが、さすがの安倍首相も今回だけは、記者への対応も以前では見られなかったくらい親切な対応をしているようである。
このみんなの打算的な行動には嫌気がするものである。疑義が持たれている宴会料金も、宿泊とのパックや料理人数の加減等、ならあり得るが、安倍首相のあの説明では余計疑惑が深まる。ホテルもいい迷惑だろう。
具体的な数字を示してその根拠を示すのが常識の社会で、一国の総理のあの抽象的な説明でみんなが納得する訳もなく、また野党に突っ込む材料を提供しているだけではなかろうか。この件で安倍事務所が法に触れていないという説明を国民の前で説明しなければ、消費税増税で不満を持つ消費者である国民は納得しない。それをせず、このまま騒ぎが沈静化するのを待つなら、やはり傲慢な安倍政権と言わざるを得ないだろう。
リーダーが自分の周辺をイエスマンで固め、やりたい放題のワンマン体制と言われる安倍内閣。こういうのは、平時は特に問題にならぬが、有事が起きたら脆弱なもの。善悪を冷静に判断し、苦言を呈してくれる人を側に置き、抑止力が機能する体制にせねばならない。取り巻く周辺も「狐と狸の化かし合い」をやめ、国民の幸せを追求するなど、本来の目的を達成する盤石な体制を構築するべきだろう。
リーダーは窮地に追い込まれた時に自分を助けてくれた側近のことは忘れないもの。側近で平時に自分に尽くす人は普通で、平時は尽くすが有事は自分の身の振り方だけを気にする側近は野心だけの人と思わなければ。虎視眈々と自分の後釜を狙っているだけの者しか、周りにいなければ自分の安定はないので考えねばならぬ。
組織の上に立つ以上、誰に対しても優しくするように心掛け、いちいち人の細かな言動に腹を立てたり、苛立つ態度を取らない「心が広い人」になる事が大切だと思う。