中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

中小企業の社長にはいろいろなタイプがある!

 

国内には358万社(者)の中小企業があるが、それぞれの社長にとって「社長の仕事」の捉え方が違う。「社長はあまり仕事をするべきではない」もあれば「社長こそもっとも働くべきだ」もある。

 

 

 

又は「社長は作業をしてはいけない」もあれば、「社長でもできる作業は率先してやるべきだ」と色々だ。会社の規模や社長の経営に対する基本的スタンスの違いから多様なタイプが存在するのであろう。

 

私が思うに、一定の従業員が存在し、成長志向のある会社であれば、社長が日々の業務に忙殺される状態ではいけない。社長はいかに自分が動かなくて済むか考えねばならない。

 

自分が不在でも円滑に運営できる仕組みが必要である。これはけっして自分が楽をする為ではない。中長期的な視野で将来を見据えなければ会社の成長はない。

 

従業員に進むべき方向性を示し、ベクトルを合わせられるように体制を整備し、状況判断を見誤らず決断を下す。そして人を育て、もし何が事が起きれば会社の代表として責任を取るという事は最低限必要な社長業である。

 

 

 

自分で立ち上げ自分の代で終わる会社はともかく、社長の仕事は次の社長をつくることでもある。永続的企業の実現に向けて、後継者を誰にする、どうやって経営理念や経営に対する思いを承継させるか、を日々考え実行しなければならない。

 

もちろん余裕がある時は、従業員と共に汗をかく事も必要だ。同じ釜の飯を食う仲間、そして従業員は家族といった経営家族主義を徹底する為にもそれは必要である。社長は従業員を大切にし、従業員は社長を慕い会社の成長に寄与する良好な関係を構築し、維持しなければならない。

 

 

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*昔、私の顧問先でこういうユニークな社長がいた。

 

猛暑、社長も暑い中で働く従業員を慰労しようと飲み会を開催する。店を決めメニューを選定する時、一番安い食べ放題・飲み放題を予約し、店にメニューを隠すように指示する。一番安いのを予約したのを従業員に知られたくないのか、従業員達もその場では何が食べれて何が飲めるか分からないものの、社長が取り仕切る中で、言い出せず我慢するだげだった。社長が接待役とばかり総て店に注文し従業員達はそれを食べて飲むだけだ。予算の関係もあるだろうが、そんなことをケチって自分の為に働かそうと思うのはあつかましいのではなかろうかと皆が思うだろう。

 

 

 

*また違う中小企業でこんな社長もいた

会社で一番高い給料をもらっているのは誰か。中小企業ではたまに社長より高い従業員が存在し、職場内の秩序が乱れることがある。別に従業員の給料を払うのを優先するばかりに社長自身が給料を取れなくなったというレベルの話ではなく、高待遇を条件に入社させた従業員などが該当する。その従業員の働きが悪いと、社長が「俺より高い給料をもらってこの仕事か」と周りにぼやくものだ。それを聞いた従業員がその人に告げ口をして結局その人は退職して会社の業績がかなり低下してしまった。

 

規模の小さい中小企業とはいえ、社長一人で総てができる訳がないのは当然である。従業員が支えてくれるから業容も拡大できるのである。自分が理想とする会社の実現の為に従業員を育てていく事が重要である。「従業員の育成=会社の成長」、という事を認識しなければならない。

 

けっして、

社長が社員を依怙贔屓する ⇒ 適正な評価をされないために社員のモチベーションが下がる ⇒ 組織内のキーパーソンなど重要な役割を担っていた優秀社員が抜ける ⇒ 仕事のできない人間ばかりが残り、生産性の低い会社となり倒産する。

 

というような会社にしてはいけない。

 

 

 

社長だって人間である以上、人の好き嫌いがある。仕事ができる人間ほど生意気に感じるもので使いにくく嫌いな部類に属するが、それでもその従業員の存在が会社の利益に大きく貢献していることは事実であり、本音は棚に上げ、建前では褒め倒す社長。

 

でも本心は自分よりできの悪い社員の方がよく言うことを聞くので可愛いもの。これが「社長の器ほど会社は大きくならない」と言われる所以であろう。

 

こうやって社長と従業員の人間関係は難しいが、従業員の頑張りが、自分と会社の成長に繋がることを再認識して、社長業を頑張ってもらいたい。