労使が一体となって生産性向上に励み、その利益を享受しあう関係 が構築できる理想的な会社にしたいものだ。だが時折、 自分がいないと会社が回らない状態にして、会社に対して優越的な 地位を濫用する悪徳社員がいる。
中小企業でよくある「 属人的対応」に依存した業務スタイルだ。今日は担当者不在だから と断られるのはよくある話である。
今の時代、属人的業務をなくし業務や作業の見える化は当然であろ う。「あの人しかできない」 はその人にとっては存在感になるだろうが、会社にとっては大きな リスク要因である。
会社を第一に考え、組織対応する為に、仕組みの確立と協働意識を 喚起しなければならない。個々で対応できる事でも、不測の事態の 備え組織対応する仕組みを確立せねば業務が停止し顧客に迷惑がか かる。
組織対応に向けては協働意欲の喚起が必要だが、金銭的報酬と非金 銭的の両立が重要。特に会社に対する帰属意識と忠誠度を高める為 にクレドの活用が必要であろう。
クレドとは、「信条」や「志」という意味であり、経営理念や価値 観(組織文化・行動規範・行動指針など)である。クレ度は会社の 社会における存在価値や意義を明文化したものであり、 このクレドを会社や全社員が共有することで、持続した成長企業と して価値向上に向けて活動できるものである。「会社の為= 自分の為」を念頭に業務遂行をしていかなければならない。
クレドの効果として、
①社員のパフォーマンスが向上する。(社員が会社の存在意義が価 値観を共有し共感すれば、高水準のモチベーションで行動すること になる。その結果、会社が社員の行動にあれこれ言うこともなく、 会社の為に自ら考え行動する集団形成が可能になる。)
②コスト削減ができる。(クレドによって会社の将来目指すべき方 向が示されるのでることなく明確な計画に基づき行動されるので無 駄なコストの発生がなくなる。)
③コミュニケーションが効率化する。(余計なことを話す時間が削 減できるから。何故そうするのかについては、社員みんなが共通の 認識を持っているのでイチイチ細かい説明を必要としない。 要は阿吽の呼吸があるという事)
④コンプライアンスが徹底できる。(クレドに行動指針・行動規範 などが明示されるので、社員はクレドに反した行動をしなくなる。 )
⑤社員の定着率が向上。(クレドにより社員は会社に対する帰属意 識や忠誠度が高まるので、会社と社員の垣根、 社員同士の垣根がなくなり、良好で明確ン目標のある同市として絆 が深まることで社員の定着率向上につながる
⑥競争上の差別的優位性が発揮できる。
(クレドによって社内は活性化し、顧客に向かっていく集団として 常に、改善・改良の意識を持って顧客満足度を高める活動を展開す ることとなり、他社との優位性が明確になった組織で持続的な成長 が可能となってくる)
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*クレドのデメリット
但し、クレドのデメリットとして価値観の押し付けがある。意に反 した押し付けは選択の自由を有する社員の不満を煽ることがある。 もしも強制されるようだと社員の中に「やらされ感」が生じて、 クレドが逆機能化してしまう。その際は「傘下の原理」に基づき、 みんなの意見を吸い上げ、民主的な意思決定の元でクレドの内容を 決めていく工夫も必要である。
以上からクレドを有効に活用して社員全員を効率的に束ね、会社の 目的達成に向けベクトルを合わせていかねばならない。
自分が不在でも組織や業務が円滑に機能するようにするのが各自が 持つ役割と責任である。
自分の組織における存在価値をアピールす る為に、わざと人にその業務を譲らない者、奪われて自分の存在価 値をなくすようなことをしない者など、保身を第一の目的としては いけない。
自分しかできない業務はつくらず、自分がやっていた業 務を早く後進に任せて自らは更に付加価値の高い業務につくなど、 会社と自分の成長に向けた仕事をしていきましょう。