カレーの壱番屋の株価が好調である。もちろん業績が伸びているからが理由の一つである。
売上は前年比14.2%増の128億円、営業利益は2.4倍の12億円、外食業界全体で値上げが浸透しつつある中で、壱番屋も追随するように値上げしたが、売上は伸び、客数は微増だが、客単価は2桁増という結果であった。
客離れを起こさずに客単価を上げられたのは、絶対的な固定的支持客を持つ店の強みもあるり、それらが実績に如実に表れている。日本のカレーは訪日外国人にも人気があるようで、コロナ収束後の今、盛り上がるインバウンド需要も吸引できそうで、今後の明るい材料であろう。
そもそもカレーは家庭で簡単に作れ、また家庭独自の味があってチェーン展開は難しいという外食業界では定説とされていたが、それを覆し、国内1,215店まで大規模化したココ壱番。
あまり専門味にこだわると市場を限定してしまうので、あえて標準化した万人受けするカレーでありながら、辛さや豊富なトッピングを提案し、顧客の方でカスタマイズできるのも魅力である。
店舗の8割超がフランチャイズなのに、経営理念がしっかり店に浸透し、ブレない経営を実践している点はさすがである。もちろん単なる金儲けのフランチャイズとは異なり、人材育成を念頭に置いた独自ののれん分け制度が確立されているのが最も大きな他チェーンとの違いである。
この制度(ブルームシステム)は将来、ココイチのオーナーになる事を前提にし、接客や店舗運営のノウハウを徹底的に教え、本部と加盟店が経営理念共同体として強固な関係を構築するものである。
店を支えてくれる絶対的なファンが多いココ壱番屋のカレーは、今後も伸びていきそうで大きな期待ができる。