中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

迫る中小企業診断士 1次試験

 

 

早いもので6月に入り、今日はもう12日です。中小企業診断士の1次試験も迫ってきましたね。受験される方の中には時間が足りないと焦っているのではないでしょうか。

8月の猛暑の中、2日間に渡る過酷な試験です。相当な試験時間を要する難易度の高い試験で、受験される方の意気込みが伝わってきます。知力・気力・体力が必要な大変な2日間だと思います。

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私が合格した頃は科目制もなく試験科目も8科目でした。一つでも40点以下だったら不合格になる試験で、総てが終わるまで緊張感いっぱいでした。

 

私は多くの方が予備校に通って勉強される中、独学で挑みました。本屋で教材を買い込み、自分なりに計画を立てて勉強しました。たまに大手予備校の無料セミナーに参加し、最新情報を収集し参考にしましたね。

 

今、考えればけっこう遠回りしたと思っています。私の時は、今ほど、SNSも発達しておらず学習ツールも未整備で、周りにも勉強仲間がおらず、孤独とも必死に戦いました。途中で挫折しそうな時もありましたね。仲間同士で共に目標に向かって勉強するということは励まし合いながらやっている人を見たら羨ましかったです。

 

そもそもこの試験を受けるきっかけは、何に於いても自分に自信がなかったからです。

 

この資格は、会社員なら当然に必須知識である経営を体系的に且つ、理論的に学習できることがメリットだと思っています。

 

私が勉強を開始した時は、外食チェーン企業の本部スーパーバイザーで、各店舗を頼りない知識と経験で巡回して経営指導していました。海千山千のFCオーナーからはけっこうて厳しくやられて悔しい思いもしました。その際、やはり自分の未熟さを痛感した次第で、その為、何とか彼らを見返す為に、自分の知識・経験・スキルアップを磨く決意で挑戦したのです。

 

この資格を有することで自分のレベルが上がり、社内で上司や同僚からも認められるようになったと思います。特に初対面の人に自分の職能レベルを端的に説明できることが大きいと思いますし、何より自分に自信がつくのは大きいですね。

 

この資格に限らず何かに挑戦することは素晴らしいことです。何度失敗しても目標完遂に向け頑張りましょう。

 

 

ところで、中小企業診断士資格を取得し、活動する中で認知度の低さで苦労することもあります。

中小企業診断士を知らない中小企業社長が多く、いちいち国家資格であることの説明が必要で困ったこともあります。これからの認知度向上に期待したいものですね。

 

 

 

その中小企業診断士に期待される今後の役割は、コロナで疲弊した中小企業の収束後の事業再生や後継者不足による事業継続の困難さを払拭し、事業継続の支援することです。

 

特に2025年問題は喫緊の課題であります。

 

<2025年問題が事業承継に与える影響>

中小企業庁が作成した資料「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」によると、2025年問題は事業承継に以下のような影響を与えると想定されています。

①経営者の高齢化と後継者不在による廃業

事業承継においても、経営者の高齢化は深刻な問題です。中小企業庁の資料によれば、2025年までに約245万人の中小企業・小規模事業者の経営者が70歳に達すると予想されています。

 

②約22兆円と予想されるGDPの損失

廃業に伴い懸念される問題がGDPの損失です。中小企業庁の試算によると、中小企業・小規模事業者の廃業増によるGDPへの影響は約22兆円にのぼると予想されており、大きな経済的損失が生じることとなります。実際、2021年に全国で休廃業・解散した企業は44,377件を記録しました(東京商工リサーチ調べ)。休廃業・解散した企業のうち当期損益が黒字であった企業は56.5%となっており、稼ぐ力があるにもかかわらず休廃業する企業の多さが目立っています。

 

③約650万人に上る雇用喪失

企業が廃業すれば、それだけ雇用の受け皿はなくなります。中小企業庁の試算による雇用喪失は約650万人です。雇用が失われると、労働者の持っていた技術やノウハウも失われ、国内の大切な経営資源が減少していきます。このようなことから、事業承継を円滑の進行と、企業における早急な世代交代の進展が求められています。

「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」より引用。

 

 

事業承継に於いて、親族内承継が殆どだった昔と違い、今は親族外承継が増え、親族内と親族外が各40%程度と拮抗しています。そして承継方法の中で、最近M&Aによる承継がが20%程度と増加傾向にあります。

 

その中で診断士として事業DD(買収監査)の必要性とアフターM&AでPMI(統合作業)の重要性が高まっており、ここは診断士の腕の見せ所です。譲受企業のメリットであるシナジー効果をいかに発揮するかを考えるのは重要です。こうやってあらゆるシーンで診断士の更なる活躍が期待されています。より効果の高い支援をしていきたいですね。

 

試験まで残り2ヶ月弱、計画的な学習で合格を目指して頑張って下さい。中小企業の存続、更なる成長発展に向け、支援していきましょう。