労働市場における派遣社員の割合は2.4%で約130万人である 。派遣市場売上規模は6兆5.798億円である。派遣市場は、2 004年の派遣法改正で製造派遣が解禁となり、前年比20~40 %増と急成長しましたが、2008年リーマンショック後に大きく 減少し、2012年の派遣法改正後も減少が続き、 2013年に底を打ち、2014年以降は増加している。
キャリア形成〈1〉社会・集団・個人の役割を学ぶ (テキスト・ワークブック)
- 作者: 東海大学キャリア支援センター,東海大学現代教養センター
- 出版社/メーカー: 東海大学出版部
- 発売日: 2017/03/01
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログを見る
2016 年度の派遣会社の事業所数は81,530か所。派遣事業所全体で 見ると、2004年の派遣法改正で製造派遣の解禁に伴い、構内請 負から派遣事業への切り替えの動きが生じたことで、事業所数は急 増。2015年9月30日の派遣法改正で派遣事業の届出制が廃止 され、許可制(一般)に一本化された。
移行措置により2018年 9月29日まで届出制による派遣事業所が認められており許可制・ 届出制の事業所が併存することになった。2016年では、届出制 による事業所数は5,189か所減少している。
派遣労働者は企業からすると雇用の調整弁として使われ、便利屋や モノ扱いをするモラルの低い企業も存在する。こういった不当な扱 いから弱い立場の派遣労働者を守るため、そして派遣労働者の保護 を目的に適宜、法律が改正されている。
キャリア形成〈1〉社会・集団・個人の役割を学ぶ (テキスト・ワークブック)
- 作者: 東海大学キャリア支援センター,東海大学現代教養センター
- 出版社/メーカー: 東海大学出版部
- 発売日: 2017/03/01
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログを見る
今回の改正のポイントは
① 一部の例外を除いた30日以内の日雇い派遣の原則禁止
これにより日雇い派遣が原則禁止になりました。
② 派遣料金と派遣賃金の差額等の情報公開の義務化
派遣労働者になろうとしている人に、派遣先企業から支払われる金 額の派遣会社の取り分の比率などの情報を公開する義務付けがなさ れました。
③ 派遣先企業の社員との均衡(賃金など)への配慮
派遣先企業で働いている同一作業にあたる社員の賃金水準や、派遣 労働者の経験、意欲、職務の成果を配慮して、派遣労働者の賃金の 決定がなされるようになりました。
④ 派遣会社の派遣スタッフへの待遇説明の必須
派遣先との雇用契約をする前に、賃金や待遇などの派遣会社の待遇 説明が必要になりました。
⑤ 派遣労働者の希望があった場合、無期雇用への転換が努力義務に
派遣労働者が無期雇用への転換を希望する場合、派遣会社は派遣労 働者の希望に添えるように努力する義務が課せられました。
参考文献:労働者派遣法が改正されました|厚生労働省
先日も触れたが、私の知人が不労働者派遣事業に参入する決意をし 、今、準備段階である。その新たに起こす会社は「違法・不当はもちろんの事、不利益な扱いをされる派遣労働者の待遇改善とキャリア形成の強化」 を主目的にしている。そして既存会社にはないビジネス・モデルを有した会社を 目標としている。
許可制になった労働者派遣事業だが、どこの派遣会社も許可を取る ための事務的・義務的に実施するキャリア形成支援制度を導入して いる。しかし新会社はそんな許可を取るための魂の入っていない制 度を導入するのではなく、個々の能力・将来の目標に応じたきめ細 やかなカリキュラムを作成し、その派遣労働者のスキルと労働意欲 の向上を基礎としていくものとする。
そして商品である派遣労働者を磨き、派遣先と派遣単価アップに向 けた交渉をして、上昇分を本人の意欲喚起の為に利益配分し、派遣 社員と会社が共に成長する関係の構築に励むようにする。
大阪の建設業界は特に万博やカジノなど一大イベントが目白押しで 建設需要が高まっている。人手不足と相俟って派遣需要は高まる一 方だが、派遣会社も人材の確保に必死の様相だ。 派遣会社の人材不足は、多くのお客さんが来店されたのに売る商品 がないといった一番悔しい機会損失状態にある。
各派遣会社はあの手この手で人集めに奔走している。この商品(派 遣労働者)仕入れが栄枯盛衰の分岐点と言っても過言ではない。ま ず資質の高い商品(人材)を仕入れ、独自の会社理念や文化の教育 とキャリア形成支援で更に磨いて他の派遣会社との差別化を図るこ とが重要である。
マス媒体による広告よりもリファラル採用(縁故採用)のように友 人からの紹介に力を入れていくつもりである。そういった点でも普 段から、派遣労働者の待遇改善に力を入れている会社、派遣先から の不遇な扱いに派遣労働者を守る姿勢を前面に打ち出した会社、派 遣労働者の今や将来についても真摯に向き合っている会社、等であ れば派遣労働者も友人や知人を紹介してくれるものである。
飲食店 と同様で、厳選素材を仕入れ、巧みな技術で調理して付加価値を高 めて提供するのと同様で、「類は友を呼ぶ」 で頑張っている派遣労働者からの友人・知人特に問題ある人もいな いだろう。また、ある程度派遣労働者を通じて労働環境など会社の情報 を提供してくれるから、紹介を受ける側も会社の都合のいい話を鵜のみにすることなく、「情報の非対称性」の解消には最適である。
聞けば他社は一人紹介すれば紹介者に20万円、本人にも就職祝い 金として10万支給すると太っ腹である。計算したらマス媒体に年 間10億円程度支払っているらしく、そのリファラル採用の方が費 用対効果は高いとの試算済みとの事である。 実際に数字が物語るので、なるほどなと感心したものである。 <こういった需給バランスが乱れた建設業界だが、派遣先の固定客化 も当然に必須である。派遣先も業歴の浅い会社は、 実績もなく信用度に欠ける。
与信で問題があれば取引でも大きな影 響になる。その若い子は幾多と営業先を持っていることから自信を 持っているようだが、それは今の会社の後ろ盾による顧客であり、 後ろ盾を失った若者と取引をしてくれるとは限らない。
既存の営業 で人間関係を強固にした会社をリストアップしているが、その会社が本当に契約を締結してくれる か否かの確度ごとのリストアップを作成してより慎重にスタートを せねばならない。そうやって慎重に顧客を固定化せねば、いくら人 材不足で供給者優位の力関係にあっても事業を継続させるのが困難 になる。人材を抱えても派遣先がなければ自社でタダ飯を食わさな ければならない状態に陥ってしまう。
余裕があるうちは派遣労働者の質的向上を目標に徹底して教育訓練 の時間に充当するだろうが、いつまでもその状態では双方にメリッ トがない。その点も考えて事業の円滑な立ち上げをしなければなら ない。問題や課題は山積だが、将来性のある労働者派遣市場で、社 会ニーズに合致した事業を積極的に展開する会社の支援をしていき たいと思う。
ぽちっとお願いします。
↓↓↓↓↓