ベンチャー企業の出口戦略が上場からM&Aへ移行しているようだ。中小企業に於いても後継者不在から事業承継の手法もM&Aが増加中だ。昔のイメージである「乗っ取り」という負のイメージはもはやなく、ほぼ払拭されている。社長も罪悪感なく、買収側は買収後の成長シナリオを描き、被買収側は従業員の雇用継続や技術の伝承や社名の存続・売却額によるハッピーリタイアメントなどを期待して交渉している。従業員にとっても、会社が継続され自らの雇用が確保されれば、跡継ぎは人でなく会社でもいい。「後継者→後継社」だ。
また今よりも資本力がある会社に買収されることだろうから待遇改善や今までしたかったけどできなかったことへチャレンジできるなど今後に期待ができることもある。もちろん買収されるという辛い気持ちはあるであろうが、それを吹っ切ってうまく融合できれば力強い新会社が誕生することになる。この点は買収側の統合作業の優劣にかかっており、M&Aが成功するか否かはこの作業にかかっている。特に企業文化の融合など人の融合は重大課題だ。「企業は人なり」だから当然で「会社を買う」というより表現は悪いが「人を買う」という行為であることを認識しないといけない。
ベンチャー企業も上場という厳格な基準をクリアするよりも楽だし、何よりも自分たちが築き上げた会社が必要とされる会社の傘下に入りさらに成長できることが大きい。今後もAI・IOT・ビッグデータ・ロボットなどの新技術の台頭で必要とされる知恵を持つベンチャー企業は引っ張りだこであろう。
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「車の自動運転」などですでに知恵の奪い合いがグローバル化しているのはその表れであろう。苦労して立ち上げた会社が日の目を見ることに期待して、これからも起業家がどんどん表れることに期待したい。