大学4回生は今就職活動の真っ只中である。この人手不足の中、どこの企業も優秀な大学生を囲い込みしたくて、あの手この手で会社の魅力をアピールしている。就職氷河期の時代と違い売り手市場の就活市場だ。日本の代表する会社である「トヨタ」がこのタイミングで終身雇用の限界を示唆するなど、売り手優位の中でも不安な気持ちを抱える学生も多い。
<2020年卒マイナビ大学生就職意識調査によると>
学生が企業選択する際のポイントは「安定している会社」(39.6%、前年比6.6pt増)がトップ、■学生が行きたくない会社は「ノルマのきつそうな会社」(34.7%、前年比3.8pt増)がトップであった。これら2点は、2001年卒以降連続1位の項目を抜いてトップだ。
【調査結果の概要】
学生の企業選択のポイントに関する調査について、「安定している会社」(39.6%、前年比6.6pt増)が「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」(35.7%、前年比2.4pt減)を抜き、2001年卒から開始した集計方法以来、初めてトップになった。また、男子については4割を超える結果となっている。その他、前年よりも数値を伸ばした項目として、「給料の良い会社」(19.0%、前年比3.6pt増)や、「休日、休暇の多い会社」(12.2%、前年比2.1pt増)があり、安定を求めるとともにワークライフバランスが成立するような職場で働きたい傾向が読み取れる。 となっている。(マイナビより引用)
電鉄会社を希望していた私の息子も6月7日に最終面接があった。父親からすれば、「よく最終面接まで残れたな」と感心したもので、当日朝、緊張する息子の肩を叩き「結果を恐れず、緊張するだろうが、その緊張をうまく活用して自分の個性をアピールしておいで」と送り出した。
正直、息子より父親の私の方が緊張して何をやっても落ち着かなかったものである。夕方、息子に電話したら「最初は緊張したが何とかやり切った」と頼もしい返事だった。そして1時間後の19時頃、私の携帯に2度、着信履歴があったことに気が付いた私は、すぐ折り返すと、「内定もらった」と喜んでいた。私もびっくりして何度も「本当に内定の電話だったのか」と息子に確認したが家内が言うにはどうも本当らしく安堵した一日であった。しかし、その日のうちに電話で内定通知がくるものなのかと今時の就職事情を知らない私は驚きであった。
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そういった環境の中、来春、新入社員は期待と不安を抱きながら入社してくるのである。新入社員は先輩社員と違い、業界常識や会社の不文律も知らない。あるのはやる気だけである。だから新鮮で既存の殻を打ち破ったやる気に満ちた意見を活発に会社に提案してくるだろう。
先輩社員は会社の実態を熟知しており、中には会社を冷めた目で見ている者もいるだろう。
その先輩社員たちも入社時はみんなやる気満々だったろうが、中には会社に中に入り現実を知って壁に当たってしまい労働意欲を喪失した者もいるだろう。
やる気を前面に打ち出した新人を冷ややかな目で見ながら「そんな事はうちの会社ではムリだよ。それがこの会社では常識だ」と聞く耳を持たない者もいるはずだ。これが新人を受け入れる際に会社が最も警戒するところである。
裏話が好きな古株や先輩もいるし、それを聞きたがる新人もいるだろう。一番太刀が悪いのは悪い方向に引っ張る連中である。会社が新たにやろうとすることに何でも反対する抵抗勢力の存在が会社にとっては弊害である。
新人のやる気を損なうような言動は慎み、寛大な心で新人を伸ばそう。そして自らにいい刺激をもらって「初心忘れるべからず」を念頭に原点回帰しよう。