中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

目標(国家資格)を達成する為には自分に厳しく!(下)

幾多と壁に当たったが、悠長に沈思黙考している余裕はなく、とにかく走りながら解決した。総て自分で判断し決断するのできつかったものである。一般的に飲食店の投資回収速度は早くて3年。私は開業費用が低いので2カ月、前オーナーへの398万も3カ月後に返済できた。信用取引の回転差資金で資金繰りは本当に助かった。

 

 

 

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家族を養う為に必死で休みなく働いた。一年目に休んだのは大晦日と元旦だけである。二年目からは家族もあるので、月に一度休むことにはした。目的が勉強の時間的確保が一番だったのに、やっている事が本末転倒だなと思ったが、先ずは経営を軌道に乗せる事を最優先した。現金商売で努力の結果が日々の売上金である。勤務時と違い毎日が給料日でやりがいがあった。あの頃は毎日の営業後、コンビニのATMに売り上げのお札だけ入金しに行ったものだ。

 

 

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店は業態特性から繁閑の差があり、ディナー売上が一組5000円の時もあれば、団体が二回転して50万の日もある等心と体がついていかない時もあったが、それでも無事に経営できたのは良かった。少しずつ余裕ができて主目的である「中小企業診断士」の資格勉強にも時間配分できるようになった。

 

焼肉レストランは土日にお客さんが集中し、平日のランチはサラリーマンやOLのランチで忙しく、ディナーは宴会客でボチボチといった感じだ。だから私は資格予備校に通うことはできず独学である。

 

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ブックオフで過去問を買い、新規テキストだけは近くの本屋で購入して、それらを毎日仕込み後と営業終了後から寝る前まできっちり毎日欠かさずやった。それでも今から考えれば情報不足で、今のように予備校に通っていなくても最低限度の情報を収集できる時代ではなかった。

 

SNSで共通の目的を持っている人達がコミュニティをつくって励まし合ったり情報交換する時代ではなく、情報無知の孤独な受験生であった。もちろん予備校が実施する模擬試験にも参加したこともない。

 

私は人に店を任せることができない性格なので人にやらせて休みを取るといったことはまず考えたことがない。だから本番の試験ではランチだけ休業しディナーは、試験会場から1時間で帰って来れたのでその間だけ料理は他店の職人にマニュアル通りにやってもらい接客は家内に来てもらって何とか1時間くらい対応してもらった。こういう時、マニュアルで標準化されているチェーン店で良かったなと思ったものである。

 

私の時は科目別制度はなかったから、一次試験の時は、試験前日及び、初日の営業終了後に翌日(ピークの土日)の仕込みを夜遅くまでやり、翌日の試験に備えたものだ。私の場合は自転車で試験会場である近畿大学に行けたのでそれをラッキーだったと思う。

 

私は一次試験は何回か合格したが二次試験は何度も失敗した。しかし私は決して諦めなかった。長い道のりではあったが「努力は遠回りはしたが嘘はつかなかった」。二次試験の合格発表時に私の受験番号を見つけた時の喜びは今でも忘れない。

 

正直なところ、家内からも「いつまでやるの」という冷ややかな目で見られただけに嬉しかったものである。その「中小企業診断士」の資格の存在を教えてくれ、受験するきっかけづくりをしてくれた元上司がまだ本部におられたので、合格の報告に行くと「実務とは違うからな、あんまり役に立たんけどな」と言われて一瞬むっとしたが、なんとなく私の心には余裕があり、すぐに忘れることにした。

 

難易度の高い資格を困難な環境の中で勝ち取ったので自分に自信が持てるようになったのだろう。・・・・・(終)

中小企業診断士/行政書士 中村事務所 HPhttp://www.nakamura-shindanshi.com