中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

デジタル化の進展でカスハラが増加!

 

 

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コロナ禍の感染対策として実施された非接触型の運営スタイルがコロナ収束後も定着し、ファミレスチェーンを中心にデジタル化が進展しています。

 

その結果、お客さん自らが操作しないと購入が出来ないセルフサービス化にうまく操作ができず、高齢のお客さんが、店員に暴言を吐いたり、執拗に不満や理不尽な主張を繰り返す、「カスハラ」が目立つようになりました。

 

 

人手不足の解消を目的に、セルフ化していることもあるのに、逆に客につきっきりとなり、操作も義務付けされ、店側も人手を取られ、オペレーションに乱れが生じています。

 

 

今まで、「お客様は神様です」と重宝されてきて、顧客第一主義に慣れていた高齢層も、急速に進むセルフ化に相当なストレスが溜まっているのでしょう。

 

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先日も、天丼チェーンの「さん天」に行った際、入口に設置してある券売機の操作に手間取る高齢者がうまく購入できず、店員さんを呼ぶ人が何人もおられました。

 

 

お昼のピーク時にホールが満席の状態の中、少人数で捌いている状態の時に、何度も自販機の操作のヘルプに呼ばれ、料理が持っていけず困っていました。揚げたての天ぷらを持って行けず美味しさは半減するでしょうね。

 

 

外食チェーンの「ロボット化」で客離れが起きる恐れがあると心配する声があります。人手不足や感染対策で各社が競うように導入を急いだ配膳ロボットですが、その理由は高齢者がついていけないからです。

 

子供は配膳ロボットに大喜びかもしれませんが、高齢者は配膳ロボットの扱いが分からず、料理が到着した時の対応と肉体的負担に苦労しておられます。

 

快適な食事をするために店に来たのに、逆にストレスが溜まっているようです。

ファミレスに入ると、奥から「お好きな席にどうぞ」と店員の声が声がけし案内すらしないのが常態化しています。

 

そして卓上に置かれたタブレット端末で注文し、運んできたのは配膳ロボットです。会計はセルフレジで、店を出る際に背後から「ありがとうございました」と人間の声が聞こえてくるだけで店員さんと遭遇することがない時もあります。

この、来店~注文~ドリンク提供(ドリンクバーのセルフサービス)~料理提供(配膳ロボット)~会計(セルフレジ)の一連の流れに、高齢のお客さんはついていけてないですね。

最近は朝モーニングが人気ですが、ゆったりと座れるファミレスもその事業機会を狙っていますが、高齢化社会でますます増える高齢者に対応したオペレーションになっていませんね。

 

高齢者の多くはフルサービスのコメダ珈琲店などに流れていっているようで、これからもその傾向が増えていくかもしれないですね。

セルフの注文も会計もやり方が分からず、長い時間をかけて試みても結局は独力でできず、店員を呼ぶ高齢者も多く、むしろ時間を取られるて客席回転率もていかしてしまう。くつろぐこともできず、常連だった高齢客の客足が遠のき、売上が低下してしまうことになる。

 

せっかくゆったりとした空間で落ち着けるレイアウトになっているファミレスなのに、オペレーションの整合性がなく、もったいない話です。

大手ファミレスの「すかいらーく」は、昨年末迄に3000台の配膳ロボットをガストなど傘下の業態、約2100店に導入したようです。

 

人とロボットが協働したオペレーションの確立で作業効率を高めるようですね。

 

 

 

 

 

 

 

あるファミレスではランチピークの回転率が2%上昇、片付け完了までの時間が35%削減、従業員の作業歩行数は42%削減しているとのことですが、しかし、経費抑制に対し顧客満足度も含めた効果はいかがなものかと思います。

 

 

 

先日、中華ファミレスに行きましたが、ラーメンを配膳ロボットがゆっくりと運び、餃子を店員さんが運んでいるなど滑稽な光景を見ました。

 

ラーメンなどはお客さんが料理を取る際にも危なく、また麵が伸びやすいという商品特性があります。

 

使う人間が、料理を考えて客席に提供する必要がありますが、それができておらず、がっかりしたものです。

 

また、ファミレスなど一食完結型の料理提供の業態の場合は、配膳ロボットでも活躍の機会は多いでしょうが、焼肉食べ放題などで一品料理の追加がやたらと出る業態は、従業員と配膳ロボットが入り乱れ、オペレーションが煩雑になっている感じがします。

 

こういう場合はロボットを活用しない方が作業も混乱せずに、いいなと思ったものです。

少子高齢化がより一層進展し、お客さんの数も減りますが、働き手の数も減ることが予想され、労働集約型の飲食業界のスタイルはこれで定着しそうですね。

 

しかし、過剰な顧客第一主義は顧客を勘違いさせる要因になり、おススメはしませんが、顧客のストレスを発生させることなくある程度の顧客起点の発想でオペレーションを考えてほしいものです。

外食はハレの場でお祝い事でよく使われ、また人と会う機会を提供するコミュニティの場です。外食の社会生活に於ける果たす役割は大きく、いつまでも必要とされるように店を磨き上げられることを期待したいです。

 

ラーメン店の倒産が止まらない!

 

幅広い層から愛されているラーメンですが、食材・光熱費の高騰や人手不足・賃金の上昇などが影響し、倒産する店が増えています。

 

特に資本金や従業員数の少ない個人企業のラーメン店の存続が厳しく、物価上昇などの状況が変わらなければ今後もさらに倒産件数の増加が予測されます。

 

せっかくコロナが収束し、人流が復活し、インバウンド効果で外国人旅行者も増えてきたのに、もったいない話です。

 

ラーメンがいくら人気食だといっても、経営が絶対安定するとは限りません。開業希望者は、しっかり最初の運転資金を確保してオープンさせましょう。

 

 

 

 

 

 

ラーメン店経営は簡単そうで難しいのが現実です。

 

ラーメンは6000億円の市場があり、国民食とされるくらいの人気市場で、人口減少が進む中でも、ラーメン市場が縮小することはなさそうです。

 

しかし、人気市場だけに参入業者が多く、競争は激化しています。各店とも、個性ある工法、商品内容、価格などでの差別化を図っていますが、競争優位に立つのは大変そうですね。

 

価格も1000円の壁があり、その制約条件の中で、各店は競いあっているようです。

 

 

日本のラーメンは世界的に見ても品質が高く、美味しいと絶対的評価があり、人気ラーメン店の行列に外国人観光客が並ぶ光景も珍しくありません。

 

外国人旅行者はその美味しさに感動してくれています。

 

 

 

楽天市場でのお買い物はポイント最大3倍!  

 

 

 

でも、先ほども述べましたが、最近の経営環境を見てみると、物価高騰や水光熱費の上昇でラーメン店も経営が難しいのが実情です。

 

加えて人手不足や賃金上昇の負担もあり、廃業が相次いでいます。

 

採算が取れないから、段階的に価格を上げて客の動向を見ますが、競争が激しいから、顧客が他店に行くのではないかと心配し、なかなか上げられないようですね。

 

 

 

物価の高い米国ではゆで卵や焼豚などオプションの付加や飲食税・チップを加算すると20ドル(約3000円)と、高額のラーメン1杯になるようです。日本では考えられない価格ですね。

 

価格決定要因には、①コストプラス法②需要志向的価格決定法③競争志向的価格決定法があります。

 

コストプラス法のようにかかった費用に自店の利益を加えて売価にすれば簡単で赤字になる事はありませんが、そう単純に行く話ではなく、お客さんは価格に敏感です。

 

特に今のように賃金上昇が物価高騰に追いついていかない経済状況では、需要志向や競争価格志向が価格決定要因に大きく影響します。

 

 

 

最近、近くでラーメン店を開業する準備をしているご夫婦に遭遇しました。

 

 

ご夫婦がお互いに好きなラーメンを実際にやってみようと退職金を元手に居抜き店舗を賃借し開業する予定です。

 

 

ずっと会社勤めをしていて飲食店の経営経験がなく、美味しいラーメン作りの為に繁盛店に修行することなくやられるようで、すごい大胆な行動に驚きました。

 

廃業が多く費用構造的にも逆風が吹くラーメン業界の中、この挑戦は無謀すぎないかと心配します。

 

 

ラーメンを好きの日本人。ラーメンの食べ歩きをしてSNSに投稿することを趣味にしている人も多くおられますね。

 

また、インバウンド効果で外国人旅行者にも日本の高品質のラーメンは高い評価で人気店はいつもいっぱいです。

 

 

ラーメン店は比較的簡単に開業できると思う人が多いし、また、素人でも趣味の延長で経営が可能と思いがちなので、ラーメン店を開業したい考える人が増えています。

 

 

定年して、会社人生を終えたサラリーマンが、人生100年時代まで、たっぷりある時間をどう有意義に過ごすかを考えた時、ラーメン屋でもやるかと単純に考える人もいます。

 

やってみたら、そんなに簡単ではなかったと後悔すると思います。当然ですよね。

 

人気店になるのはとても難しく、開業から1年以内に閉店するラーメン店は実に4割、開業から3年以内にはさらに3割近くが閉店に追い込まれているのがラーメン業界の実情です。

 

 

安易な気持ちで開業する人たちが増え続けることで競合店数は増え続け、多くのラーメン店が価格競争に埋没し、結果的には閉店へと追い込まれています。

 

開業費用は決して安くありません。老後の生活資金として蓄えていたお金を無駄に使わないようにしないといけませんね。

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写真は人気ラーメンチェーン「丸源ラーメン」

 

食べ放題で人気の「焼肉キング」と同グループの「丸源ラーメン」は、お客さんでいっぱいの人気店です。昼時の1人客が座るカウンター席の回転率は計算すると相当でしたね。

 

この店は料理提供も早く、20分間隔でお客さんが入れ替わります。粗利益も十分確保しているような価格設定になっており、これだけ効率的(粗利益×客席回転率)に入ると、儲かるでしょうね。

 

こんな感じで儲かる仕組みができていれば、収益性・成長性・将来性がありますね。

 

働いているスタッフさんも元気で感心しました。

 

多くのラーメン店が、逆風が吹く経営環境の中、頑張っておられるようです。

 

窮地に立たされているラーメン店の為にも、可能な限り足を運んで応援しましょう。

老舗飲食店の経営継続に向けて

 

老舗飲食店が店主の体調不良で店を休みがちとなり、加えて、後継者不在などの問題もあり、これでは店を継続することは困難であると、長い歴史に幕を閉じるというケースが増えてきました。

 


 



やはり、高齢になると、体力・気力が低下し、積極的に考え行動することが難しくなるんでしょうね。

 

そんな中、その店の長年のファンが、自分にとってはなくてはならない店との強い思いから、代々受け継がれた味と店を守ろうと模索する動きもあります。

 

その店を愛顧する地域の多くの皆さんがその味を守り続けたいとの思いで、知恵を絞っています。

 

まずは、飲食店を開業したいと希望する若手創業希望者を探し、事業を継続させることが可能な若手に円滑に承継できるよう、金融機関や行政と一体となり対策が講じようとしています。

 

やる気はあるが、自分がゼロから開業するお金がないという創業希望者を探し大切に育てていく計画です。

 

 

私のクライアントの中にも、業歴40年の洋食店を経営されている70代後半の老夫婦がおられます。後継者が不在の中、最近、奥さんが腰を悪くし、店の今後をどうするか悩んでおられます。

 

地域での絶対的な存在基盤があり、なくては困るお店で地域住民の方がその行方を気にしておられます。

 

その店はご主人が創業され、お店独自のオリジナル商品も多数あり人気洋食店です。

 

ですが、個人店特有の運営でして、料理の作り方はすべてご主人に属人化されており、ご主人の勘や経験によるものが多いのが実情で、マニュアルやレシピは殆どありません。

 

 

したがって、味の伝承が難しく、ご主人がこけたら全てこけるといった、ご主人に依存したお店の料理になっています。

 

 

 

 

そして、その人がご主人が有する有形無形の経営資源を円滑に承継できるように、サポートをご主人と共にしていきたいと考えています。

 

もちろん最初はご主人のやり方を踏襲し、習熟度合いが高まって経営も軌道に乗ったら、自分がやりたいことを、どんどんやっていけばいいと思います。

 

 

まずは、経営者が代わっても従来通りの経営ができるように、していかなければいけません。

 

 

調理レシピの数値化や調理手順のイラスト化などで、スキルが未熟な人でも料理に対する姿勢や意欲があれば、同じ仕上がりになるように調理作業をマニュアル化し、実践で繰り返しながら、スキルアップをしてもらいます。

 

しばらくはご主人がマンツーマンで指導しながら、確実に育成できるようにしていく予定です。

 

 

ベンチャー型事業承継のように、先代から受け継ぐ有形・無形の経営資源を活用し、新規事業、業態転換、新市場参入など、新たな領域に挑戦することで、永続的な経営を目指し社会に新たな価値を生み出せるようになればいいですね。

 

こういったケースのように、これからは、老舗飲食店がM&A承継で店を継続させる例が増えていくでしょう。

 

 

売手としては味の伝承、雇用の維持、取引先や顧客に迷惑をかけず、自分が苦労して開業したお店も残せるし、買手としては、熟練調理人や従業員の確保、取引先や顧客を確保、既に実績がありますからリスク回避、時間と初期費用の節約が可能となり、投資回収も早いので、もちろんリスクもありますが、相当なメリットがあります。今後も増えそうですね。

 

 

いろいろなケースがありますが、先祖代々続いていても、将来性があまりない小規模店の場合は、子供には絶対に家業を継がせないと言い切る社長の奥様は多いです。その理由は店に将来性がないからと、見極めているから、子供には苦労させたくないとのことです。

 

 

店主自身も代々続いている家業ですが、自分の代で終わらせるつもりのようですね。

 

「息子は大学を卒業して優良企業に勤め、仕事にやりがいもあり生活も安定しているので、自分は家に束縛され了承したから仕方ないが、子供には自由な選択をさせたい」という強い思いのご主人が言われます。

 

今後も、こういうケースが増えるのは仕方ないこともありますね。

値上げしない宣言をしたサイゼリヤ

 

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これが400円(税込)サイゼリヤのハンバーグです。

ライス(中)をつけても550円(税込)です。一人暮らしなら、スーパーで食材を買って家で作るより、サイゼリヤでテイクアウトした方が時間や調理負担を考えても、経済的ではないでしょうか。

牛肉100%、付け合わせは目玉焼き、コーン、ポテトです。

店員さんに聞くと、このハンバーグはランチでも提供されているハンバーグで牛肉100%だそうです。

 

このハンバーグは本当に値打ち感があります。

おススメです。是非ご賞味ください。

 

 

 

 

 

コロナが収束し、人流が復活して外食にお客さんが戻りつつあるのに、物価高騰やエネルギーコストの上昇で、外食産業を取り巻く環境に更なる逆風が吹いているようです。

 

そういった中で、顧客の側も値上げに不満の声を上げるというより、仕方ないというムードが漂っています。

 

 

 

外食各店の値上げが相次いでいる中、顧客満足の為に「値上げしない」宣言をしてくれたのが、コスパ最強のサイゼリヤです。

 

 

 

サイゼリヤは誰もが知る、「安くて美味しいイタリアレストラン」です。

 

あらゆるコストが値上がりしているのは、どこも同じ条件ですが、業務プロセスを再度見直し、日々改善してそれらをお客さんに還元してくれるのが、サイゼリヤです。

 

例えば、注文を聞く際に、今はどの外食チェーンも人手不足対策としてDXを推進している中で、タブレット端末などデジタル化が当然になっていますが、サイゼリヤは紙による注文方式にしています。

 

これは、注文時間の短縮化・オーダーミスの防止などで業務の効率化に寄与しています。

 

 

従業員が注文を伺う時のお客さんとのやり取りの時間はけっこうかかりますし、従業員の聞き間違いやお客さんの言い間違いから発生する無駄やトラブルはなくしたほうがいいですね。

 

また、外食の付加価値を高めるのはやはり人の接客です。

 

従業員の接遇(5原則:挨拶・表情・身だしなみ・言葉遣い・立振る舞い)が重要ですから、コロナ禍は別として、非接触型の冷たいおもてなしは避け、最低限の接客をすることは、最適だと思います。

 

あらゆる外食チェーンがクーポンで顧客吸引力を強化していますが、サイゼリヤは一切広告を出さない、クーポン券も出さないのでも有名です。そのコスト(通常は売上予算の2.5%程度)も削減し、その分を食材に充当して商品力を強化しています。

 

サイゼリヤは、外食を真に産業化するために、店舗作業を数値化して分析・工程改善を行うことにより、“ムダ・ムラ・ムリ”を減らし、作業の軽減化を図っています。

 

 

店に行けば気づくと思いますが、少ない人数で多くのお客さんを捌いております。生産性向上に向け、自慢の卓越した生産工学に基づき、接客・調理のオペレーションを確立しています。

 

もちろん、食材調達やセントラルキッチンに於ける加工にもそれらを駆使しています。

 

 

店舗での接客や調理作業などは個人の技能に頼りがちです。しかし、個人店では仕方ないかもしれませんが、多店舗展開する外食チェーンではそうはいきません。

 

ローコストオペレーションの確立にはコックレスが必須条件となります。その為には、習熟度合いが低いアルバイトでも、標準化した作業が可能になるためのマニュアルに基づく運営が必要です。

 

 

サイゼリヤでは数値化しにくい店舗での作業を、IEや工程改善の技術の考え方を用いて数値化しています。個人の技能に頼らなくても、だれもが簡単に、かつ素早く作業をマスターできるように、作業を単純化・標準化させています。

 

 

 

 

今期も大幅増益が好感されて2000年以降の株価が最高値の「サイゼリヤ」です。今期の営業利益は81%増の見込みのようです。「値上げしない宣言」で競争他社との差別化を明確にし、今後も更なる成長が期待できます。

 

利益に関しても、8月営業利益が前期の17.1倍に急増し、今期も営業利益が81%増の見込みです。人件費や物価が高騰し、利益を出せない外食企業が多いですが、流石の勢いですね。

 

実際の地域セグメント別損益では、海外事業は好業績なようですが、国内事業は何とか黒字を確保している状態のようです。

 

 

客単価740円程度でコスパは最強です。原価率は39.7%(ガストは31%)は客にとっては嬉しいでしょうが、サイゼリヤにとってはしんどいものです。

 

 

顧客と店が利益を享受し合う良好な関係を維持するために、サイゼリヤは頑張ってくれています。今後も値上げせずに大丈夫か客の方が心配するものです。

 

 

最近、異物混入(カエル)でニュースになりましたが、、その程度で大騒ぎするなとお客さんは声を上げています。多くの顧客から支持を受けているサイゼリヤはさすがです。今後も応援したい店ですね。

労働集約型産業の労働力の変化

 

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人手不足の為に、配膳や調理でロボットを活用する外食店が増加しています。

 

 

お客さんは他業種と比べ高い粗利益率(60%~70%、)の外食には、美味しく価値ある料理や真心あふれる接客を求めているはずですが、今の外食を取り巻く環境では、人による付加価値向上はなかなかうまくいかないですね。

 

 

ちなみに小売業の粗利益(総利益率)は27%程度です。

 

作業が標準化されたチェーン店でも、人の良し悪しで店の優劣が決まっていた昔ですが、今は作業が機械化されており、人で競争力を確保することは少なくなっています。

 

おめでたいお祝い事などの「ハレの場」には、絶対必要なのが外食です。

 

 

家庭では味わえない価値ある外食ですが、人だからできる価値の創出が減少し、その価値が薄れていくようで寂しい気がします。

 

 

 

しかし一方で、発想を転換し、人手不足が深刻な現在、人間から機械に労働力を転換することで業務を効率化することが可能となります。

 

 

業界の努力ではどうしようもできない、人口減少といった社会的問題を解決する為の手段ともなりそうです。

 

 

 

「大阪王将」は職人の技術を完全コピーした特別仕様の調理ロボットを導入し、人手不足の解消を目指すそうです。

 

 

職人の育成には時間を要し、また中華鍋を使った調理は重労働です。しかし、それらをロボ化することで男女や年齢に関係なく、人を補充できそうで、雇用対策も楽になると期待されています。

 

外食大手は基本的に、「コストレス・ストックレス・コックレス」と、3レスを基本原則にして、ローコスト・オペレーションを確立しています。

 

特にコックレスは人件費の抑制のために必須です。熟練コックさんと外食大手が目指すチェーンオペレーションとは、方向性が合致しにくく、経営陣からしたら使い勝手が悪いのも事実でしょう。

 

そういう点からは、人への依存から感情を持たずに使いやすい、ロボットの方がいいかもしれないですね。

 

 

 

個人飲食店では多くの業務でマニュアル化できない勘や経験など高度な職人技を必要とする仕事が多くあり、特定の人物に依存しています。

 

それを熟練技能者に依存してしまい、彼らはそれらを有する事で店での存在感を発揮させているのが実情でしょう。

 

それは経営者としては、熟練技能者に遠慮してしまい、経営しにくいので要注意ですね。

 

 

 

 

業態にもよりますが、低価格のファミレスであれば、「単純化・標準化・専門化」3Sを徹底強化し、人件費の割合を低下させる仕組みの確立は当然です。

 

 

企業の目的である、「生産性を向上させる」を実現するには、マニュアル化できない仕事は細分化して分業させる等、けっして属人化させることがないようにしたほうがいいと思います。

 

 

その人がいないと店が回らないという現場では、ローコスト・オペレーションは実現できません。

 

業務を単純化・標準化して、効率化を目指さないといけませんね。

 

 

 

現在、人手不足の為に営業時間や入店を制限する外食チェーン店がまだ多いと聞きます。先日、ある牛丼チェーン店に行ったら、相変わらずワンオペを押し付けられているとアルバイトの人が嘆いていました。中には、アルバイトが欠員ができ一人では営業できないと入口に休業告知の貼り紙をしていたとX(旧ツイッター)に投稿され話題となっていました。

 

 

24時間年中無休が当然だったのは昔の話です。経営者としては儲けられるのに儲けられない、この機会損失は悲しいものです。

 

 

人にいなければ代替としてロボットを活用するのは仕方ありません。

 

 

人をどうしても使いたい場合は、アルバイトを雇う店側も保証せずに雇用の調整弁とし、利用できるといった発想は捨てないと人に失礼です。考え直す必要がありますね。

物価高騰の今、価格設定が難しい!

 

 

 

 

 

資源価格の上昇と円安の進行などで様々なモノが値上がりしており、あらゆる供給業者がこの物価高騰を背景に値上げして、利益を確保しようとしています。

 

 

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中にはデフレが長く続き、なかなか値上げができなかった店がこれを機会に便乗値上げする動きがあるのも事実でしょう。

 

加えて、物価は上がるのに賃金が上がらない国民の不満に対して、政府主導で賃上げムードを実現する各種施策と気運を高める動きが活発になっており、何でもかんでも値上げする実態に感覚が慣れてしまった消費者も多いでしょう。

 

 

外食店も当然に、値上げする動きが活発で、もう仕方ないと他店に追随し値上げする店が多いのが実情ですね。

 

 

店の中には、お客さんが「今までが安すぎたんや、今後も頑張ってくれ、絶対に来る」とお客さんが応援してくれる店もあれば、顧客離反が著しい店と極端に差がある。

 

普段から顧客提供価値(バリュー・プロポジション)を高める努力をしている店かそうでないかの自店分析し、値上げに客がついてきてくれるかを熟考し、誤った判断をしないようにしなければならないですね。

 

「餃子の王将」は今期中間決算で、売上が前年比10.2%増の497億円と過去最高を更新しました。 「餃子の王将」は昨年に実施した2度の値上げ後も客足は衰えず、外食市場の回復を受け店内飲食が大幅に改善しました。

 

 

加えて、テイクアウト需要も続き、売上は20カ月連続で同月比の過去最高を上回っています。 営業利益は30.6%増の49億円と営業利益率は10%と大手外食の模範店ですね。

 

 

値上げしても顧客離反を起こさない事業基盤の強さはさすがだと思います。

 

また、今期も大幅増益が好感されて2000年以降の株価が最高値なのが「サイゼリヤ」です。

 

今期の営業利益は81%増の見込みで、値上げしない宣言で競争他社との差別化を明確にして絶好調です。 8月営業利益が前期の17.1倍に急増し、今期も営業利益が81%増の見込みです。

 

 

人件費や物価が高騰し、利益を出せない外食企業が多い中で顧客から絶対的な支持を受ける「サイゼリヤ」はさすがです。

「餃子の王将」と「サイゼリヤ」の経営戦略は素晴らしく、これからも応援したいですね。

 

 

社長がこけたら全て終わり!

 

 

 

社長がこけたら全てが終わりという会社が多いですね。

 

社長の本来の仕事は次の社長をつくる事や自分不在でも円滑に業務が運営できる体制の構築だと言いますが、小さい規模の社長で、そう考えながら経営している社長は少ないのが現実です。社長は孤独なものですね。

 

 

 

先日も、業務の全てを誰にも頼らず、自分で仕切っていた小規模企業の社長が急逝しました。

 

後継者どころか、自分が不在になった時のことも考えていなかった為、事業継続が困難になり、廃業以外の選択がなく関係者は残念がっていました。

 

これらは経営者の高齢化もあって、建設業における一人親方や小規模の飲食店・小売店にとっても、このような状態の店が多くあると聞きます。

 

人を雇用する余裕がない小さな規模の個人事業者にとって、頭痛い問題ですね。そういう社長は経営責任の総てを一身に背負い、誰にも相談しないのが当然というか、相談することが煩わしいので、そういうスタイルになってしまうのであろう。

 

 

知人で保険の代理店を自宅でされていた知人も、急逝され、残された家族は一切事業に関与していなかったために、相当な苦労をしたと聞きました。

 

人間いつ何があるか分からないし、事故に巻き込まれる可能性もゼロではありません。

 

だから社長はもしもに備えて対策を講じておかねば。残された家族・顧客・取引先などの事を考えて、もしもの事への対策をしっかり講じておきましょう。

 

困った事があれば、社長の番頭的役割でもある中小企業診断士にご相談ください。