中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

中小企業診断士試験に向けて!

 

 

来月8月6日(土)7日(日)は中小企業診断士の一次試験ですね。猛暑の中、二日間に渡る過酷な試験です。相当な試験時間を要する難易度の高い試験で、受験される方の意気込みが伝わってきます。知力・気力・体力が必要な大変な二日間だと思います。

 

私は10年前に合格しました。その頃は科目制もなく試験科目も8科目でした。一つでも40点以下だったら不合格になる試験で、総てが終わるまで緊張感いっぱいでした。私は予備校に通わず独学で挑みました。

 

今、考えれば結構遠回りしたと思っています。今ほど、SNSも発達しておらず学習ツールも未整備で、周りにも勉強仲間がおらず、孤独の戦いでした。

 

そもそもこの試験を受けるきっかけは、何に於いても自分に自信がなかったことが大きかったと思いますね。

 

この資格は、会社員なら当然に必須知識である経営を体系的に且つ、理論的に学習できることが利点だと思っています。

 

私は勉強を開始した時は外食チェーン企業の本部SVで、各店舗を頼りない知識と経験で巡回して経営指導していました。海千山千のFCオーナーからはけっこうて厳しくやられて悔しい思いをしました。その際、やはり自分の未熟さを痛感した次第で、その為、何とか彼らを見返す為に、自分の知識・経験・スキルアップを磨く決意で挑戦したのです。

 

この資格を有することで自分のレベルが上がり、他人からも認められるようになったと思います。特に初対面の人に自分の職能レベルを端的に説明できることが大きいと思いますし、何より自信がつくと共に優越感に浸れます。

 

この資格に限らず何かに挑戦することは素晴らしいことです。何度失敗しても目標完遂に向け頑張りましょう。

 

 

 

第七波は外食にどう影響を与えるか!

 

 

せっかく営業が落ち着きかけたのに、ここにきてまた第七波に突入。その為、また自粛営業を要請されるのではと心配する飲食店。

 

ここ2年半コロナに翻弄され、店の存続が危ぶまれたが、何とか頑張ってきた店の中でこれから先の心配と自身の高齢から、これから先、店をどうしようがと悩んでいる店主もいるようだ。後継者のいない店はこれを機会に廃業しようと考え出す店主も増加している。

また後継者がいても能力不足で長年続いた味の伝承が困難との理由で廃業を選択する店もあるようだ。

  

TVニュースを見ていても、老舗飲食店が長い歴史に幕を閉じるということで、多くの常連さんに惜しまれながら閉店するシーンがよく取り上げられており胸が熱くなるもの。

そういった中、今が千載一遇のチャンスとばかり事業拡大を狙う企業が廃業する店の買収に動き出している。


飲食店は一からつくると大変な労力と時間がかかるからと買収を希望する人。既に実績があるから収益予測が立てやすいのも魅力。買収価額の交渉時に店の将来価値である営業権や隠れ債務には気をつけないといけないが、特に今はコロナによる営業自粛で過去の業績から評価する営業権の算出は難しい所である。

 

株式譲渡の場合、純資産+営業権で株価を算定し譲渡価額にするが、コロナによる営業自粛で業績が極端に低下した飲食店も多く、今売るのはタイミング的に買い叩かれてしまいそうである。

 

事業継続をするか否か、売却して他のビジネスを展開するならどうするかを市場の動向を見ながらいつ決断するかは難しい所である。

 

  

 

コロナ過で定着した飲食店の業務の機械化!

 

 

飲食店でまた人手不足が顕著になり、従業員への負担が問題となっている。従業員の自殺や勤務中の過労死も発生し、特に大手外食は世論から叩かれ適正な労働環境への対応に追われている。外食産業はイメージが大切だけにこういう事件は致命傷である

 

だが、それでも、ある牛丼店では相変わらずワンオペを続けており、従業員も辛そうで、客にぼやいている。そういった人達の犠牲の元、安く牛丼を提供できても美味しくないと思うお客さんは多いと思う。

 

 

 

あるファミレスに入ったら、客が勝手に席に行き、注文はタッチパネル、飲み物はドリンクバーでセルフサービス、料理提供は配膳ロボット、会計はセルフレジ。従業員は片付けの時だけホールに出てくる。感染対策を優先し、且つ、人手不足にも対応する為に仕方ない点もあるが、本来、大切なホスピタリティ精神がなく寂しさを感じる。

 

外食は他の産業よりも粗利益率(付加価値率)が高い業種である。200円で仕入れた食材を3倍近くの値段で売る商売。原価と売価の差額は料理の加工賃(調理の人件費)や接客及び快適な雰囲気づくりに充当されるといわれている。今後もこの非接触型運営が続くのだろうが、先行きの不安を感じる。

 

コロナ禍で離れた働き手の獲得も難しく、人手不足が続く状態の店が多い。人を変動費化にして店の都合を押し付けた店にはまた同じ事があるかもと思い復帰しないのは当然か。時給アップ、入店祝金を出しても集まらないとは悲しい現実だ。

 

 

「企業は人なり」を再認識して人を大切にする店づくりをしてもらいたい。ES(従業員満足)はCS(顧客満足)である。従業員を大切にしたら、従業員はお客様を大切にするもの、その結果、そのお客様が店を支えてくれ、収益力があり地域一番の永続店が実現できるはずである。頑張ってほしい。

 

有名シェフのジレンマ!

 

 

ファミリー客や一般客など最も多い顧客層で形成されるマス・マーケットをターゲットにファミレスを展開する外食チェーン企業。商品力の優位性と価格のリーズナブル性をアピールする為、元有名ホテルシェフを招聘し、その著名シェフの名を冠した商品を次々と販売し、他社との差別化を図ろうとする。

 

招聘された著名シェフも最初は限定された富裕層だけに提供する料理ではなく一般大衆向けにも自分が培ったスキルを発揮してみたいとの思いもあり、且つ、ホテルでは経験できない知識・経験・スキルを習得できるからと前向きに一生懸命に取り組む。

 

そういった新たなやりがいを発見し、自らの経験・知識・技術・ノウハウでないと開発できない商品開発に力を注ぎより多くの人々に食を通じて社会貢献したいと元ホテルシェフは頑張っている。

 

私自身もホテルに長年勤務していたから分かるが、ホテルというプレステージの高い職場で働いていており、通常食べれない料理の提供を仕事にしている。つまり、普段自分たちが提供しているのは非日常の高級商品であり、「ハレの場」で食するものである。

 

その仕事をしている自分たちも、所詮は会社員であり、休日などで消費者・生活者に戻れば、ファミレスなどで食事をする普通の家族客である。

 

だから仕事で高い食材を高度な技術やノウハウで富裕層たちを満足させている自分たちの仕事だが、そこまでの高水準でなくてもいいからある程度ホテルで提供している付加価値の高い商品を一般家族客に気軽に食べれるようにしていきたという強い思いも持っている。

 

そういった、「食生活の豊かな創造を社会に貢献する」など、食を通じてみんなに喜んでもらうことを自分たちの使命だと思う、志の高いホテルの調理長はけっこういる。

 

その使命感を持ち、お客様と企業の双方が利益を享受し合い、良好な関係の構築の為の美味しい料理をリーズナブルな価格で提供できる仕組みの確立にやりがいを見つける元ホテルシェフ。

 

新たな商品開発をしたら、当然に役員連中にプレゼンするが、その連中は料理の事が分りもしないのに好き勝手なことを言い、時には批判する役員もいる。ホテルと違って原価対策やバイトでも作れるようなオペレーション設計など様々な制約条件がある中で、自分なりに工夫して商品づくりをしているのに、価値観の違う役員連中に批判されると嫌になってくる元ホテルシェフも多い。

 

段々と創作意欲が低下してくるものだろうが、自分が望んだ仕事だから我慢するしかない。

一歩下がり、無理やり経営陣と目的を共有化し、ベクトルを合わせるが段々と隙間風が吹く時が多くなり、こんなはずではなかったとお互いが思っていることもあるようだ。

 

効果と効率の対立軸を考えたら、効率を求める外食チェーンと効果を求めるホテルなど専門店の価値観の相違は明白である。

 

有名ホテルのシェフだった頃の誇りとプライドを捨ててまでやる価値があるのだろうかと思う時もあるようだが、それでも多くの人々に美味しい料理を手頃価格で食べれることを使命感に今日も頑張っているようだ。

マクドナルドの運営体制には驚き!

 

 

「週1日から、1日2時間でもOK」など、マクドナルドは柔軟な働き方で多様な人達が働く企業として有名である。見渡すと高校生から94歳の方まで幅広い年齢層の人が働いている。地域に根ざした存在となっており、スケジュールに融通が利きやすいのも好評で定着率の高さは群を抜いているようだ。

 

 

 

それにしても日曜日のピーク時間帯のスタッフの多さには驚く。よくここまで集められたと感心する。確かに、ドライブスルー、デリバリー、テイクアウト、店内飲食など需要の一気集中及び、多機能に対応する為、多くの人でが必要なのは分かる。

 

工程管理や動作研究を勘案し、コンパクトで作業動線の短縮化を実現したカウンターとキッチンの中で30人近くが所狭しと働いている光景を見るとちょっと驚く。

 

外に出ればドライブスルーに担当者が付き、ウーバーイーツとは別にマックデリバリーも多くが配達に奔走している。

やはり「勝ち組、マクドナルド」はすごい。

スシローの復活を期待したい!

 

 

回転寿司業界№1の「スシロー」がウニやカニの在庫がなく提供できないと分かっていながらCMで広告したなど、景表法違反(おとり広告)で再発防止を求める措置命令が出された。

 

「スシロー」は他の回転寿司と比較しても、」基本である本業の寿司に最も力を入れており、原価率50%が物語るようにネタの大きさやシャリの美味しさは抜群である。しかも頻繁にキャンペーンを実施しておりお客さんを飽きさせない仕掛けは相当なものでいつも感心していた。ブランドとは信頼の証である。

今まで築き上げてきたブランドへの信用・信頼を大きく低下させる位の失態である。私も含め、スシローファンが多いだけに残念。今後の巻き返しに期待したいものである。

 

 

 

先日、ある回転ずしに行って一つ気になったことがある。回転寿司業界では当然になったセルフレジ。人手不足や感染対策には必須かもしれないが、従業員から見れば、お客さんが自分たちに代わってやる作業工程だから、その分、他の付加価値を創出する作業をしたり、ご高齢で操作が分からないお客さんに対しても、一定の距離をとって教えてあげたりとしなければならないが、そういうことが全く見えなかった。

 

従業員同士で雑談をしたり、一緒にバッシングボックスを持って喋りながら片づけたりと見苦しい光景を見てしまった。飲食店にとってレジ会計は最後の接客である。ここでの良し悪しも再来店されるか否かの判断の分かれ目になる。

 

いい印象をお客さんに与えて地祇の来店を促す接客をするのは飲食店の基本中の基本である。黙ってても大勢のお客さんが来る回転寿司業界は少し慢心になっているのではなかろうかと気になる。

 

「基本は徹底し変化に対応するという」という商売の原点に立ち返り、ホスピタリティ精神を再徹底して欲しい。

外食に円安は脅威!

外食の市場規模が5ヶ月連続で前年超えしている。特に極端に落ち込んでいた居酒屋までもコロナ前の65%まで回復いるとの事である。

コロナで停止していた外国人観光客の受け入れも再開され、これから更に業況が改善されることが期待され今まで辛酸をなめさせられていた外食業界にとっては明るい兆しである。

 

だが、円安やロシアとウクライナ戦争の影響で、原材料、人件費、物流費用、エネルギーコストなどほとんどの費用が上昇するなど逆風が吹いている。

 

 

コロナ禍では換気がいいからと優位に立っていた焼肉店。不振の居酒屋から焼肉店に業態転換を急いだワタミなど、焼肉に参入する店が増えたものであった。

 

しかし、ここにきて急速な円安で輸入牛肉が値上がりし、経営を圧迫している。特に食べ放題などを売物にしているチェーン店は輸入肉の使用割合が高いから厳しそうだ。どこまでお客さんと痛み分けできるか。価格を上げるか量を減らし実質値上げするか、判断に迷うところであろう。

 

それらは唐揚げも同様のようだ。

唐揚げ店の数は、推定4379店で2012年の450店から10年で約10倍。酒のつまみ、ご飯のおかず、子供のおやつ等、幅広い年齢層に好まれる国民食。大手外食の参入も相次ぎ競争は激化し、タピオカブームのように極端な淘汰が進む事はなかろうが、油や粉の価格及び、鶏肉も上昇傾向にあるのは今後の不安材料である。

景気が低迷している中での物価上昇に消費者は悲鳴を上げている。賃金は上がらない、年金受給者は年金が下がっているようだ。

これから先どうなるか読めないから辛いところである。何とか生き残りの為に知恵を絞り頑張っていかねばならない。