中小企業診断士/行政書士 中村事務所

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ジャニーズの今後が気になる

 

 

 

現在、人権問題の観点から世論に批判されているジャニーズは中小企業に位置づけされている。社長は交代しても前社長は100%株主であり代表取締役である。これは事業承継税制を利用し相続税を免除してもらう為と週刊文春などで批判されている。

 

 

 

社長を辞任しつつ、株式100%を保有し続ける元社長の藤島ジュリー景子氏はその理由を「被害者補償についても進めやすい」と説明した。私も確かに会社は株主のものだから、その方が被害者に対して謝罪の姿勢を見せる上でもいいのではと思っていた。

 

しかしながら、藤島氏が実質オーナーであることに変わりはないと批判が相次いでいた。そこに新疑惑が浮上しており、関係者は困っているようだ。

 

それは、「週刊文春」が最新号で、ジュリー氏の代表取締役留任について、860億円の相続逃れを画策しているとの見方を報じたのだ。

 同誌によると、ジュリー氏は2021年に母メリー氏氏が亡くなって以降、メリー氏と50%ずつ分け合っていたジャニー氏の株を全株、保有することに。このとき、何と推定860億円もの相続税をジュリー氏は「ウルトラC」によって支払ってはいないという。黒字廃業する中小企業が後を絶たないため、事業承継を後押しするべく19年に導入された「事業承継税制」。相続税や贈与税が猶予され、実質ゼロになるこの特例措置の優遇を受けるためには、申告期限の翌日から5年間、代表取締役を務めなければならない。ジュリー氏の場合、2025年5月までその椅子に居座ることで条件は満たされ、「被害者補償」はそれを隠すことの方便だというのである。(週刊文春より引用)

 

藤島ジュリー氏は7日の記者会見で「いろいろ決めていく上で代表取締役でいるほうが良いと事務所で判断してとどまっていましたが、補償が速やかに進めば代表取締役から降りるということは考えております」と述べたが、代表から降りるということは事業承継税制による相続税の免除を利用できないから、推定780億円を納税しないといけなくなる。

 

したがって最低でも最初の基準である5年間である2025年までは代表取締役の座を降りられないことになっているから、それらを考慮しながら被害者への対応を考えているのではなかろうか。

 

 

また、それらとは別に会社の重要な方針として、社名は変更しないとしたが、19日に公式サイトで声明を発表し、変更を示唆し迷走している。

 

そもそも失墜したブランドを継続して使用するには無理がある。あまりジャニーズブランドを過信しすぎては事業再生の足枷となるという事を理解せねばならない。ブランドとは信頼の証である。社会全体からバッシングを受けたブランドを強い思い入れなどで見誤ってはいけない。こういう場合のブランド戦略はジャニーズブランドを廃棄し、新たなブランドに変更する戦略を採用すべきである。

今回の事件で色々な著名人が意見しているが、経団連の十倉雅和会長は19日の記者会見で、ジャニー氏の性加害は「断じて許されない」としつつも「日々研さんしているタレントの活躍の機会を奪うのは少し違うのではないか」と指摘。その上で「タレントは被害者であって、加害者ではない。(企業は)タレントをどう救うか、時間をかけて検討すべきだ」と訴えた。

 

こんな状態に陥れば、まずは今の会社の優良(Good)事業と不採算(BAD)事業を分けて、

優良事業は新会社を設立して移し、不採算事業(今から被害者補償する為に専念)は旧会社の残して総ての被害者対応が終了すれば清算するといった再生方法を選択するなどを検討すべきである。

 

*第二会社方式とは、債務超過に陥った企業の事業継続の見込みのある事業を後述する会社分割や事業譲渡といったスキームを用いて別の法人格の会社に切り離すとともに、事業分離等を実施した後の既存の会社を清算手続きにより法人格を消滅させる方法となる。

 

見込みのある良い事業だけを残して、不採算の事業については清算するという方法であるため、現事業のうち、芸能活動自体はGood事業なのでそれらを事業譲渡などで新会社に譲渡し、、被害者に対する補償は現ジャニーズに残して、ジュリー代表が責任をもって対応すればいいのではなかろうか。

 

優良な事業だけを残せば事業再生を実現しやすいはずで、ジャニーズには大勢の魅力あるタレントさんが存在するので業界でも優位性をまた確保できるであろう。

 

 

ジャニーズという会社は批判を受けて当然だが、一生懸命、スターを目指して相当な努力をしてきたジャニーズのタレントさん達は被害者である。彼らが今後、再スタートできるような体制の再構築を願いたい。ジャニーズのタレントさんが多くのファンに希望や夢を与えている事実を再認識しましょう。