中小企業診断士/行政書士中村事務所

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飲食店マネジメントはリーダーシップとフォロワーシップの相乗効果が大切

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私が外食チェーン本部員時代、店長会議でいつもバイトが無能で苦労しまくりと自分ばかり頑張っているとアピールする店長がいた。部下への作業割当てや考課と教育を徹底して育成する基本中の基本を怠り自分だけアピールするなんて言語道断。

 

リーダーシップも取れず、ましてやバイトの能力を引き出すことも出来ない無能な店長。バイトへ適切な作業割当と能力や意欲の向上を徹底してやれば、店長自らが楽になる。そして日々の定型業務はバイトに任せ、店長自らは本来やるべきハイレベルの仕事に専念できるはずである。

その方が自らの成長に繋がる事になるが、それができないお粗末な人間である。今の時代は特に、リーダーシップと部下が自律的・主体的に機能するフォロワーシップの相乗効果が重要だ。未熟なバイトを育成し前線に立たせたら後方支援に回り、更にに成長を促す体制作りが大切だ。バイトにも日々・月ごとの目標を設定し、店長との相互理解の元で育成しなければ、いつまでも店長に負担がかかるだけだ。

 

 

コロナ感染で大打撃を受けた飲食業界は、他の業種と比較しても、特に労働集約型でしかもアルバイト中心の体制であり、運営に参画する人達がやりがいや生きがいを持って、明るく楽しく働くことができるような職場環境づくりが人間関係づくりと共に必要である。

 

以前、マクドナルドに行って客席で商品待ちをしていたら、何とお腹の大きな妊婦さんが商品を持ってきた。立ち仕事である飲食店の、しかも作業動線の長いホールで妊婦さんが働くとは驚きであった。聞くと現在8か月で再来月に出産予定との事だそうだ。

 

この時期でこんなに頑張るとは感心するが、よく見るとマタニティ型の制服を着用されており、マクドナルドではそういった妊婦さんが働ける制服を用意しているのにも驚いた。この店で働いている妊婦さんは単に人手不足だから働いているのではないようで、自分の体調に問題がなく店に迷惑をかけないなら、できるだけ働きたいとの事で、感心する。

 

コロナ感染拡大の影響が長引きそうで深刻な客離れに苦しむ飲食業界。感染拡大がある程度の収束を迎えた現在も、同業界には多くの課題が山積する。コロナ感染終息後の飲食店が抱える、人の管理も含めた4つの課題を解決する努力が、各店には求められる。

 

1.アルバイトスタッフの離職による人手不足

コロナ前は深刻な人手不足が問題であったが、コロナ感染が拡大後は営業自粛を行政から少ない補償額で求められ、また自粛解禁後も客足がなかなか戻らず、アルバイトのシフトカットや解雇など人件費の抑制で店の存続を図った為に嫌気したアルバイトが離職した。

運営スタッフはマニュアルで標準化されているから、誰でも同じ作業や接客ができるように仕組化されているとは言え、そんな単純な話ではない。募集・面接・採用・教育などとも密接に絡み、人を一から育て上げる大変さは計り知れず、一朝一夕に解決できない。安定した運営を続けるには、最低限のスタッフ確保と少数精鋭で運営できる仕組みの確立が必須だ。一連の作業工程をどこまで人間がやりどの工程を機械化するかも、経営者には工夫が求められていく。

2.稼働席数の減少による売上の低下

稼働席数の減少による売上の低下は損益分岐点を大きく変化させるので経営にとって大変深刻な課題である。コロナ禍では「密閉」「密集」「密接」からなる3密回避の対策を講じないとお客様は不安がって来店されない。

「密閉」については窓の開放や空気清浄機・高機能換気扇の導入などにより、通常営業のまま対策が可能だが、「密集」「密接」については客席の稼働率を下げて対応しなくてはならない。飲食店にとって稼働席数の減少は売上低下と非効率運営を余儀なくされる。以前と同じ売上・利益を確保する為には、単価を上げたり営業時間を延長したりの対策が必要になるが、今の時代は現実的でない。少ない席数でいかに売上を伸ばしていくのか。アフターコロナを生き残る飲食店は、損益分岐点の低い店づくりの為に固定費と変動費を見直し再構築していかなければならない。

 

3.感染対策にともなう業務の煩雑化

お客様に安全・安心をアピールする為にはハードとしての設備(オゾン脱臭機や高機能換気扇等)やスタッフの体調管理や手指・テーブル・椅子・客動線上の消毒作業など作業負担が増えてくる。それら業務の煩雑化に対する工夫が必要となる。店舗にとってみれば、以前は不要だった作業が多く発生しており、負担の増しているが、十分な衛生管理なしに顧客の来店は期待できない。主要業務と感染対策をどう両立していくかが課題となる。

4.非接触型のオペレーションの確立

最近はファミレスを中心にセルフオーダーを導入する飲食店が増えている。これは、スマートフォンや卓上タブレットといったデジタル端末を使い、インターネットなどを経由して注文をおこなう非対面のオーダーシステムである。慢性的な人手不足に苦しんできた飲食業界を救うツールとしてコロナ前から検討されてきたが、コロナによる非接触型運営の確立には必須のツールになっている。

 

先日、回転寿司「はま寿司」に行ったらペッパー君がご案内。「スシロー」はセルフレジを導入。各店が感染対策で非対面型に力を注ぐ。両方導入すると、席案内はロボット⇒タッチパネルで注文⇒料理提供はベルトコンベヤー⇒会計はセルフレジ、となりほぼ非接触型の外食スタイルが確立される。近いうちに「くら寿司」がこれらを組み合わせた来店から会計までのプロセスを人間が関与しないシステムで客対応する計画である。味気ない外食になりそうだ。

これらを踏まえ、人手対策と人のマネジメントをどこよりもうまくやり遂げた店が競争優位を確立していくであろう。繰り返しになるが、バイト中心で運営する飲食店ではバイトの能力と意欲を高める仕組みが特に必要で、それらが実現できたら生産性の向上につながり、店の体力が強化されていくのである。これが開業して2年で廃業するという飲食業界で生き残りができる秘訣である。

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