中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

リレーションシップバンキングの実現を!

利益が出るとやたらと納税金額を気にするのが中小企業社長である。必死に在庫積み増しをして利益操作をしたり、税理士と節税対策をしたりと忙しいものだ。だが利益は今後の資金調達力の決定要素となる事を理解せねばならない。

 

 

アマゾン銀行が誕生する日 2025年の次世代金融シナリオ

アマゾン銀行が誕生する日 2025年の次世代金融シナリオ

 

 

目先の過度な節税を目指すと一生資金繰りに苦しむ会社になってしまう。通常、借入可能額は、簡易CF(税引き後利益+減価償却費)を基準に概算が判定される。利益を出せない、税金を納めない会社はあまり評価されない。

 

それと無借金を目指す会社はともかく、不測の事態に備えた資金繰り対策を講じないと取り返しのつかないことになる。一寸先は闇の経済では「備えあれば患いなし」という事を認識した経営をせねばならない。

 

いざという時に助けてくれるビジネス・パートナーを持ち積極的な経営をした方がいい。そうでないとリスクを恐れて消極的な経営に埋没してしまう。それはチャンスロスの拡大を意味することとなる。

 

 

借入は悪だと固定観念を持ち、資金繰りに苦労をしても、借入をしたくない中小企業社長。確かに借入金も借金なので聞こえは悪い。でも資金繰りの余裕がないと社長のしかめっ面が職場の雰囲気を暗くするものである。

 

借入してでも余裕資金を持ち、職場を明るくすれば、従業員も頑張って売上・利益を上げてくれる。借入金の際に生じる金利負担は従業員の頑張りでそれを上回るくらい稼いでくれる筈である。

 

金利費用は経費計上できるので、節税としても活用できる。暗い職場からは何も生まれず、生まれるのは愚痴と離職者くらい。資金繰りに余裕を持ち好循環経営をしていかなければいけない。

また金融機関と良好で継続的な関係がなく、必要な時のみ頼る中小企業は今後、金融機関を大切なパートナーと認識していく事も肝要である。支払金利に過度に敏感で銀行の都合を理解せず、自社の都合、必要な時に必要な金額だけ貸して欲しいと借手の都合優先な会社は特にそうである。

 

飲食店でも常連のお客さんが、自らの飲食店経営に必要な商材を販売していれば取引をした方がいいのは当然。そして相互の関係を強化することで安定経営が実現できる場合がある。もちろんある一定の競争原理は、お互いを成長させる上でも必要であることは言うまでもない。

 

そういった「ギブ&テイク」で金融機関の収益も考慮した良好な関係を構築すれば、金融機関も困った時に雨傘を取り上げることはしないだろう。自分の都合だけで相手を利用しようとしてはいけない。

 

金融機関から資金調達をする際、中小企業ではプロパー融資はムリである。大概は日本政策金融公庫、保証協会付き信用金庫・地銀・メガバンクの順になるであろう。日本政策金融公庫がが一番借りやすいが、後は中小企業を顧客扱いしてくれる信用金庫の評価が高い。

 

メガバンクはまず中小企業を顧客扱いしてくれず、もちろん自らリスクを取ってまで中小企業を育成しようとは思っていない。大企業向けの金融機関だからやむを得ないであろう。自らもリスクを取り、積極的に支援してくれる信用金庫の存在が日本経済を活性化すると思う。

 

中小企業を大事な顧客として扱ってくれる信用金庫とのリレーションシップ・バンキングの実現に向け、相互信頼に向けた取引をしなくてはいけない。その為には正直な経営を目指さなければいけない。金融機関に不信感を持たれたら経営失敗と言っても過言ではない。

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「リレーションシップバンキングとは、金融機関が、借り手である顧客との間で親密な関係を継続して維持することにより、外部では通常入手しにくい借り手の信用情報などを入手し、その情報を基に貸し出し等の金融サービスを提供するビジネスモデル。」

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