2025年までに中小企業社長の約245万が平均引退年齢である70歳を超えるとの事だが、、その内の約127万が後継者不在で事業継続が絶たれる可能性が大きいと心配される。
小規模事業者では、人材難から社長自身の経営能力や意欲に依存しており、後継者不在による黒字廃業も増加しているようだ。また人手不足も深刻でそれによる倒産も増加中である。
早急に①人材確保、②離職防止、③生産性向上の手段を講じねばならない。「企業は人なり」とわかってはいてもなかなか人に対する投資ができないのが実情のようだが、長い目での事業継続に向け、こういった問題は改善していかないといけない。
特に③の生産性向上に向けてはDXに積極的に取り組むようにしていかねばならない。もちろん、できることから確実に推進していけばいいと思う。
その経営者の引退であるが、中小企業社長の平均引退年齢は中規模で67.7歳、小規模に於いては70.5歳となっている。人は年齢を重ねるごとに保守的になり、成長への意欲が低下し、またリスクを伴う行動を展開しながらがむしゃらに利益の拡大を目指さないようになるもの。
したがって65歳くらい迄の意欲と体力があるうちに若手後継者へ経営をバトンタッチしていないと、会社の更なる成長は期待できない恐れがあり、惰性的な経営をするだけになる恐れがあるから、意識して事業承継の準備をしてほしいものである
多くの中小企業の社長は、会社を長年支えてくれた従業員を家族のように考えており、従業員とその家族を守ることを大切にしている。
しかし、その為には事業を継続させる事が必要である。しかし、事業承継の準備に着手していない企業が多くあり、思いと行動が伴わない状態で、特に小規模企業はその傾向が多い。
このままこの問題を先送りすると、社長の高齢化が進展する中、取り返しのつかないことになる。承継対策を早めに講じて事業の継続の為に承継の準備を進めなければならない。
ここ最近、業歴30年以上の老舗企業の倒産が増えている。一方で、同じ業歴の老舗でも健全経営を続けている企業も少なくない。成功している老舗は不採算事業を迅速に整理するだけでなく、成功体験に依存せず新たな挑戦にも果敢に取り組んでいる。また、市場環境の変化に迅速かつ柔軟に適合させているようである。これらも高齢経営者では動きが鈍く、やはり経営意欲が旺盛な若手経営者なら経験が浅くても持ち前のチャレンジ精神を前面に出し、うまく対応できるものである。
先代から承継した有形無形の経営資源を効果的に活用し、引き継いだ事業は内容を変革しながら会社のコア事業としてより強化していく。加えて、それに関連する新規事業を自分のリーダーシップで展開し、第二の創業として目指してやりがい探しもしていって欲しい。
そして、老舗の看板に胡坐をかくことなく、「基本は徹底して変化には柔軟に対応する」という経営姿勢に積極的に取り組んでもらいたい。