「社運をかける」との意気込みをよく聞くものだ。以前、ウイスキーのイメージが強く、ビールでは後発組で4位のサントリーが巻き返しを図る為、プレミアム・モルツに社運をかけた。
スーパーやコンビニエンスストアなど小売店や外食チェーン本部や町の飲食店など販売チャネルごとに営業部隊がスクラムを組み、自社への切替を促す販促を実施した。もちろんプルとプッシュの販促を効果的に組み合わせ一気呵成に攻勢をかけた。
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小売店では店に直接出向き、陳列棚に均等に並べてある各社のビールをサントリーのプレミアム・モルツが目立つように陳列し直していく。これはどこのビールメーカーも人海戦術でやっているが。ホテルのレストランは大概4社のビールを取り扱っているが、接客係が注文の際、お客様に銘柄を伺うが、指定がなければプレミアム・モルツを提供するようにホテル側にプッシュするものもある。
町の飲食店はビールサーバーを自社に指名してもらうように販売攻勢をかけるのだ。サーバーを自社にしてもらったらもうこっちのものだというのが業界では定説である。このメーカーブランドをスイッチするのは店側も相当なメリットがなければ普通はしない。私が経営していた飲食店もお願いされて迷ったが、すごい勢いの担当者に圧倒された事と他社とは比較にならないほどの販促奨励金だったのでサントリーにブランドスイッチしたのである。
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その際、私の店は高級ではなく中価格帯なので普通のモルツを選択したら、「モルツの方が納品価格が高いですよ」と言われ、ここまでやるかと感心した。
サントリーの自由闊達な社風と現場への権限委譲で交渉時には即断即決してくれるなど意思決定が早く、とてもスピーディーに対応できることは感心させられる。本当に大したものだ。