コロナによる倒産は政府の資金繰り支援でそれほど増えていないようだ。本来なら市場から退出せざるを得ない低生産性企業がその延命策の恩恵を享受し、ゾンビ企業と揶揄されながら事業を継続させている。
しかし、後継者難による倒産は止まらないようである。2021年の「後継者難」の倒産は、前年比2.4%増の381件だった。
でもその資金繰り支援により延命したゾンビ企業は、これから返済が始まり増加することが心配されており、春以降の動向に目が離せない。
コロナ禍の中小企業への融資残高は、昨年3月期で約340兆と急増し、過去最高を記録している。普段は貸し出し審査の厳しい銀行から実質無利子・無担保融資を受けれたが、今後、この倍増した債務をどう返済していくか。コロナが収束し、運良くコロナ前の利益に戻れてもそれ以上の利益は難しい。
倍に膨らんだ借入金の返済を悩む会社は多い。また今は、いつがピークか先が読めないくらい新規感染者が急増している状態である。中長期的な経営計画が策定できない状態なのに重荷になっている借入金をどう返済し、財務構造の適正化を図るか企業にとっては課題が山積である。
市場が整理され過剰供給が解消され、デフレがある程度、脱却されるほうがいいだろうか。