楽天が独占禁止法の「優越的地位の濫用」で問題になっている。
その問題の原因は、2019年末、楽天市場で3980円以上購入した利用者を対象に、商品の送料を一律無料にする制度を3月18日に導入すると出店者側に通知したからだ。
送料を巡っては、出店者ごとに設定されており、利用者からは「支払総額が分かりにくい」といった不満の声が挙がっていた。中には、商品価格を安く表示して検索されやすくする一方で、送料を割高に設定する出店者もおり、利用者からは不評だった。
送料の基準が統一されれば、今後は送料を含めた価格を表示するため、出店者は価格に転嫁するか、送料分を負担せざるを得ない。数百の出店者らでつくる任意団体「楽天ユニオン」はその署名を公正取引委員会に提出した。
出店者側は、独占禁止法で禁じている「優越的地位の乱用」に当たるとしており、公取委の判断が注目されるが、その日の記者会見で、公取委も「優越的地位の乱用」に当たる可能性があると言っている。それでも楽天は予定通り強行するようだ。
競合するアマゾンジャパン(東京)では、有料会員らに直販商品などを無料で届けるサービスを行っている。楽天も対抗策を迫られており、統一基準の導入を撤回しない方針。三木谷浩史会長兼社長は「問題はない。予定通りに導入する」と強気を崩さない。(ヤフーニュースより)
楽天ユニオンからの挨拶文
私達は楽天市場というプラットフォームを介して、長い時間をかけて創意工夫しながら、お客様との繋がりを培い、事業を営んで参りました。 常に私達はお客様と共に歩み商売というものに向き合ってきたと思っています。
勿論、この世界には様々なタイプのモールがありお客様ごとに理想の形があることを否定しません。AMAZONのような、ある意味ドライなショッピングを楽しむお客様もおられれば、楽天市場のようなウィンドウショッピングを楽しむお客様もおられます。
しかし、楽天市場の中において… 磨き上げてきた店舗の個性や技術、思い、ファンとなってくれたお客様の全ては私達の捨てられない資産です。お客様に喜ばれるサービスを追い求め、私達、店舗運営者やスタッフが積み重ねてきたものを否定しない為に、私達が諦め、捨ててはいけないものもあるのです。
確かに。楽天市場と出店契約内には以下のような条項があります。
楽天市場出店規約及びこれに付随する規約の変更にあたっては、当社からの変更の通知と各店舗さまの出店継続をもって、規約変更をご承諾頂いたものとみなす (「楽天市場出店規約」第28条1項)
しかしこれは、お客様を主役とする楽天市場の性格上店舗と楽天市場の間に信頼関係があってこそ成り立つものだと考えています。 そして、その信頼関係は、店舗の置かれた状況を知らない方々からすれば、想像もつかないほど脆弱で、既に崩壊していると言っても過言ではありません。
もし楽天市場が店舗とお客様の歴史をないがしろにするのであれば、例え困難があろうとも私達は団結し、戦い続けようと思います。
以上が楽天ユニオンの今回の件での挨拶文である。
楽天の弱い者いじめは悪質なようで、出店者との契約内容も楽天市場側が一方的に有利な内容も多く、且つ、環境が変化した時など時の情勢によっては更に自分達が有利なように内容の変更ができるようになっていると指摘されている。
そもそも楽天市場は消費者を相手に商売するものだが、この出店者に対する傲慢な姿勢は企業イメージを著しく低下させ、肝心の消費者も嫌気するはずだ。
本来、楽天と出店者は経営理念共同体のような関係のはずで共存共栄の関係も求められるだろう。しかし「楽天ユニオン」が存在するという事は出店者との関係は敵対関係であるようにも思える。そんな内部でぎくしゃくしている市場が顧客を満足させることができる訳がない。
楽天は野球でもGMの強引な人事による騒動が話題になったばかり。こんな事を続けていたら、いつか足元をすくわれるだろう。出店者を犠牲にしながら自分達だけ生き延びようとしてはいけない。人を泣かせていては成功しない。
楽天もアマゾンなど脅威な存在に社内は危機感からかおびえているのか余裕がないようにも思える。「追われるものより追うもの強し」の心境だろうか、焦りから醜態が目立つ。
私自身は楽天カードも持ち楽天市場をよく利用するお客さんでもあるが、今回の一件でちょっと楽天市場での買い物を控えたいなと思うようになった。また楽天の携帯市場への参入で乗り換えを検討していたが、それも改めて考え直したいと思う。