中小企業診断士/行政書士 中村事務所

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高校野球の球数制限に物申す!

 

日本の夏と言えばすぐ頭に浮かぶのは高校野球「夏の甲子園大会」だろう。都会で働く多くの地方出身者が毎年、郷土代表を応援し、がむしゃらに頑張る高校球児に感動を受け、それが活力の源になっている人も多い。

 

その高校野球では、タイブレーク制の導入、休養日の設定、水休憩、球数制限と次々に選手の肉体に対する配慮から対策が講じられている。やり過ぎではとの声もあるが、一部の声の大きい意見に高野連も踊らされているようだ。

 

 

 

確かに地球温暖化、異常気象など地球環境が大きく変化しているから、昔と単純に比較する訳にはいかない。選手たちの野球環境には一定の配慮は必要だと思う。

 

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この球数制限を来年の選抜から実施するらしいが、球数にも配慮して試合を組み立てなければいけない監督は大変だし、見る側もめんどくさい。もちろんそのうち慣れるだろうが。また資金力のある私立の野球名門校に選手たちが偏り、公立高校には大きなハンデだとの声も強い。

 

そうやってその恩恵を受けようとする将来プロ志向の選手はそういう私立に行き、無難に高校野球を終え、プロへの道をと考える選手や父兄も多いだろう。一方で公立高校で野球する選手たちはその決められたルールの中で選手をやりくりしなければならないので大変だ。

 

 

 

只でさえ限られた部員数で試合に出場するだけでも大変なのにピッチャーを複数用意するとなると無理がある。有名私立校と試合をすれば歴然とした差がつくであろう。もちろん、そういう状態の中で歯を食いしばって頑張れば世論は応援してくれる筈だが。

 

今回の一連の動きにはNPBへの配慮もあるだろうと推測する。しかし何%の選手がプロにいくのだろうか。一部のプロを目指す球児の為に高校野球の醍醐味が犠牲になっているとの声も大きい。

 

 

プロを目指す選手たちとその父兄の声はチームを動かす原因にもなっている。ボーイズやシニアなどで硬式野球をした中学生達の父兄は高校進学の際に各校から勧誘がある。もちろん親も子供の経歴を重視するからブランド力のある甲子園常連校へ行かそうとするが、その時の条件として将来プロを目指すから球数制限の条件を付ける親も多いようだ。高校もその選手が絶対に必要だと考えたら要求を聞き入れるしかない。売り手と買い手の交渉力と同様に力関係がある以上やむを得ないことだ。

 

 

しかもその親たちは毎日のように練習を見に行き監視もしている、普通は高校クラスでは親は口出しできないのが普通だが、中にはそういう状態の高校もあるみたいである。時折、育成状況を時々監督も交えて確認するようだ。

 

親としてもここまで金をかけて野球をやらせてきたのだからプロに入れて投資回収をしたいとの強い動機が周りに批判を浴びているのが分からず、我が子を商売の商品だと思っているのだ。総ての野球名門校がそんな状態だということはないが一部そういう高校が存在するようだ。

 

 

 

事実、私の周りにもそういう親がおり、その親はいつも、「高校野球の甲子園大会は注目されてプロに入るきっかけづくりだから大事ではあるが、それで潰れてはプロで金を稼げなくなる。そうなったら今まで高い金を払ってボーイズで野球をやらせ、体づくりの為に飯を一杯食べさせてきたのか分からない。だから入ってくれと勧誘に来た高校の監督には、プロではピッチャーをやらせたいので、高校では野手の中でも注目される遊撃手にさせ、時々注目されるようにリリーフ投手をさせてくれるならそのお宅の高校に入れてもいい」と監督に高飛車に言っていた。

 

その子は日本一になった野球チームの遊撃手&投手だったので引く手あまたであった。そういう声が多いので言うことを聞かざるを得ない高校が多いのも事実である。高校も高校野球で甲子園に出ると入学希望者の数に反映されることが多く、甲子園出場は高校のブランド力強化には必須であるとの認識が根強い。だからそんなわがままを聞いても実力のある選手を獲得したいのである。

 

そういう選手や親が増えてきて高校も好条件で勧誘しようとするがそれらにも限度がある。その結果、各校が差別化された条件を提示するのではなく、最低限のルールを高野連に設定してもらった上で有力選手の獲得競争に奔走するのが得策と考えたとの声もある。そういう声の塊が高野連を動かせたのではなかろうか。

 

真意は定かではないがそういう争いはやめ純粋に高校野球ができる環境づくりが多くのファンは期待している。確かにどの協議も選手ファーストの流れでこれはもちろん必要だと思うが、ファンや応援してくれる人々に支えられた競技大会であることも再認識が必要だと思う。

 

 

 

羽生田文科大臣も、「仲間たちとの絆も大事にしなければいけないから、球数制限は難しい。」との意見だったが、私も同感であった。

 

 

今年のラグビーW杯では日本代表たちが、国の為に自らを犠牲にして頑張ってくれた事が国民みんなを感動させてくれたものだ。ラグビーをいい模範にして、魅力ある野球競技にしてもらいたい。