中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

社長業は楽ではない!

「なぜ独立して社長になったのか」と聞かれると、中小企業の社長の中には、勤務時代に会社にこき使われ、会社の都合で自らがやりたい仕事ができなかったりとそういう不満から会社を辞めて自らが独立した人も多い。

 

 

社長になる人に知っておいてほしいこと

社長になる人に知っておいてほしいこと

 
小さな会社の社長の戦い方 (アスカビジネス)

小さな会社の社長の戦い方 (アスカビジネス)

 

 

 

できる社長は人が採れない

できる社長は人が採れない

 

 

私の知る範囲では、そういう動機で創業した社長の成功確度は低い。そうやって一国一城の主になりたくて会社を興したが苦労の連続に疲れる社長を多く見たからである。一方で、自らの培った技術やノウハウで社会に新たな提案をしたリ、社会全体を豊かにしたいといった夢を持って創業した人の成功確度は高い。

 

上司もおらず誰に指示されることもなく、自分の裁量で何もかも仕事が進められる幸せは束の間に終わる。周りからも、「社長。社長」と持ち上げられ、プレステージに酔いしれる日々もあるが、それが逆にプレッシャーになってくる。承認と自己実現の欲求を満たしたが、苦労に耐え切れず、現実逃避を目論む社長。人生難しいものだ。

 

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社長をやってみて初めてその辛さが分かるものである。社長業はストレスの溜まる仕事。「ストレスは万病の元」でもあり、徐々に身体を蝕み、ある日突然に不測の事態を招く場合もある。責任感の強い真面目な社長は一人で悩み苦しみ日々の経営をしている。

 

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社長は自らを追い込み何事も一人で解決しようとする為に総てを背負ってしまうもの。その結果、社長は孤独なものだが、相談相手を持ち、会社の実状を伝えておく事が大切だ。自分亡き後の事業承継を考えたらわかるはずだ。相続人すべてが会社の存続に理解あればいいが、そうとは限らない。足を引っ張る方に皆が結集すれば、後継者が苦労するだけだ。せめて後継者には総てを洗いざらい伝えておかなければいけない。

 

 

 

そもそも、会社の実態総てを後継者が知ったら、継いでもらえないだろうという会社にするべきではない。また継がせるまでに自分で何とか処理しようと、孤軍奮闘し頑張っている途中に、万が一があったら後継者を含め、残された者が不幸である。

 

 

 

特に、中小企業(個人オーナー)は、個人資産と会社資産が混在している財務諸表が多い。中には公私混同が甚だしい会社もある。社長は個人財産をきっちり把握しそれらの棚卸をしておかないといけない。会社設立の際はもちろんの事、業績が低迷し会社が資金不足に陥れば自らの金を会社に貸付たり、土地も会社に貸付しているもの。

 

だが、その実態を社長すら理解しておらず帳簿しか知らないケースも多い。社長に万が一の事があれば、会社への貸付金は相続人が債権者になり会社に請求してくるし、土地も遺産分割協議が整わなかったら後継者が苦労するだけである。悪意ある相続人の権利主張で会社は混乱するものだ。それで看板を下ろした中小企業は多い。

 

 

 

社長に何かあって、残された家族と従業員の事を心配するなら、「備えあれば憂いなし」で、後の対策をきっちり講じていれば、気が安らぎ元気にもなれるはずである。