中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

建設現場事故の示談交渉は大変(4)

・・・・・続く

 

ここまでお金に対する執着心が強いのには本当に

 

ぞっとしてきた。

 

確かに我々としてもC夫婦が納得できない

 

気持ちはわからないでもない。

 

 

親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版

親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版

 

 

3人の中でも損傷箇所が多く、また骨盤にプレートが入ったままで

 

一生を過ごさなければならないのに、その点は後遺症には

 

加算されないなど、踏んだり蹴ったりの状態の所もあるからだ。

 

手術回数も多いし、その手術の中でも一度医療ミスで死にかけるなど

 

とんでもない出来事があるなど大変な思いをされたからだ。

 

その医療ミスとは、事故直後に搬送された救急病院で

 

手術を受けた後入院していたが、規定により次の病院に

 

行かなければいけなくなったが、そこで紹介された

 

近くの病院で起きた医療ミスであった。

 

その病院は建物が古く、最初の病院が綺麗で設備が整っていた

 

こともあり、病院を移転する前から不満そうであったが、

 

タダでさえ古く汚い病院なのに、病院側の手違いで

 

個室が用意されておらず、大部屋だったことに激怒し、

 

我々に当たり散らしたものであった。

 

個室は翌日でないと空きがないために、その日だけは

 

我慢してもらうように説得したが、それに相当の時間を要し、尚且つ

 

それを先の交渉での攻撃材料にしようと目論んでいるのが見え見えで、

 

嫌気が差すものであった。

 

 

 

その病院の担当医が、曲がらなくなった膝を手術して治すという

 

事で部分麻酔を使って手術することになった。その時、

 

麻酔チューブのクリップが閉まったままだったらしく、

 

麻酔が体内に入っておらず、局部が痛い状態で施術を

 

受けたらしい。あまりにも痛いので看護師を呼んだらしく、

 

駆けつけた看護師が気づいて慌てて開栓したが、

 

今度は開き過ぎて、またその後、性懲りもなく放置していたので

 

今度は麻酔が効き過ぎて、Cさんが意識朦朧の状態になり、

 

付き添っていた奥さんが、騒ぎ出したのであった。

 

あと少し遅ければ、とんでもないことになっていたらしい。

 

病院側も慌ててすぐに対処したが、その際にあれこれと見苦しい

 

言い訳を繰り返し、それが更にCさん夫婦の怒りに繋がった。

 

 

そういうハプニングがあり、絶好の責める材料を付与した

 

ようになってしまったが、だからと言って社会通上を

 

逸脱した不当な要求には対応できない。

 

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だいたいこの医療事故は我々には責任がなく、

 

責任を追及するならその病院に言ってもらいたいものである。

 

「この事故さえなければこんな医療ミスを受けることが

 

なかった。」としつこく責めてくるので困ったものだった。

 

その時、この事故に関与した人物からか、Cさん夫婦の家に、

 

怪文書が届いた。

 

 

 

Cさん夫婦からすぐ来るように電話があり、病室に行くと

 

A4用紙で7枚程度で、医療ミスの原因と病院側のミスである

 

事の根拠が資料と共に送られてきたようだ。内部の人間による公益通報

 

である。私達、医療の素人には理解できない専門用語が多くあり

 

なかなか理解できない内容であったが、ミスを犯した張本人の

 

名前が挙げられていた。手術体制は麻酔する人、施術する人と

 

分業していたが、どうも院内の人間関係が悪いのか、

 

麻酔担当者を名指ししていた。我々素人も麻酔の

 

ミスなのは分かっていたから、今更それを指摘されても

 

驚きもしないが、それよりもそんな最悪な人間関係の

 

元ではいくらCさんとはいえ、後々、問題になって

 

くるので、病院側に話をして転院したい旨を伝えた。

 

 

 

その際、Cさん夫婦がこれは千載一遇のチャンスとばかりに病院側に

 

その怪文書を見せて今回の医療ミスの慰謝料を請求してくれと、

 

私に言ってきた。

 

私もこんなCさん夫婦だが、病院側の対応にも

 

憤りを感じていたので、事務局長に話し合いの場を設けて

 

もらうようにお願いした。

 

そして場所を指定してきてもらい、話をすることになった。

 

まず、怪文書を見せてどういう態度を示すか見たが、

 

一瞬は驚いたような感じだったが、非常にくせ者の男性で

 

すぐに虚勢を張るような姿勢で、「これならウチは

 

訴えられても勝てます。」と開き直っていた。

 

これにはさすがに私も驚き、「こんなことに慣れて

 

いるんですか」と聞いたものだった。

 

 

 

取りあえず、こちら側の主義主張は一方的に伝え、

 

Cさん夫婦に誠意を持って謝罪する事と、それ相当の

 

対応をしてほしいと伝え、話し合いを終えた。

 

Cさん夫婦には話し合いの内容を伝え、転院までに、

 

事務局長と直接話してくださいと言った。

 

転院の日が来てCさん夫婦から、「あの事務局長は謝罪には

 

きたが、何も持ってこんやったで。」と文句を言われたが、

 

取りあえず「これ以上はあの病院に言っても無理ですよ」と

 

言ってその場から逃げた。

 

 

 

 

こうやって重箱の隅を突っつくように、何かあら捜しをして

 

金銭を要求したがる寄生虫のような夫婦には、そのうちに、

 

天罰が下ることを願う日々であった。

 

 

話は前後するが、4月に終えた示談でも大変であった。

 

こちら側が譲歩しながら、また時には毅然とした態度を

 

示しながら、なかなか歩み寄らずにわがままばかりの

 

Cさん夫婦に時間だけが過ぎていく。

 

私も必死になって解決の方向性を見出していくが、

 

なかなかC夫婦が欲を前面に打ち出し引き下がらない。

 

 

何度ともなく、こちらが常識の範囲で譲歩した金額を

 

提示するも、なかなか首を縦に振らない。

 

時間との勝負だが、そもそも時間がかかると本人のケガも

 

回復するので不利になるとのことで示談をしたいと

 

申し出たはずなのに矛盾した行動をとっている状態であった。

 

そして、ここから大きな動きが出ることとなった。

 

本人のどうしてもの要求で高次脳機能障害を

 

専門病院で検査したいとの事で、その病院の

 

予約待ちに時間がかかっている時だった。

 

予約は6月から8月の間で5回ほど検査を予定している。

 

しかしその頭の症状固定を待つと他の部位が

 

ほぼ完治する勢いの状態なので、C夫婦に

 

とっては都合がよくない。

 

 

だから、頭の高次脳機能障害を残して、その他を症状固定

 

したとの前提で示談しといて、高次脳機能障害については

 

最終的な国の認定が決定次第、それに基づき追加で差額を

 

払うことを前提とした示談を執り行うことが決定した。

 

 

 

大変ややこしいが、取りあえず、我々としては一旦職務を

 

全うすることで一歩前進と解釈し示談式に臨むことにした。

 

ここまでたどり着くには長かったが、まさかここからもっと

 

長くなるとは、だれも想像していなかった。

 

恐るべしC夫婦だ。

 

4月下旬に示談式を行ったが、その際のC夫婦は

 

「本来であればこんな重症な状態でこの時期に行うことは

 

本望ではないが、被災事故から既に1年半年が過ぎ、

 

いつまでも埒が明かない状態ではお互いにメリットが

 

ないだろう。ここまで大けがをさせられて私たち家族に

 

看護の負担を強いらせて、この金額では到底我慢

 

できないのが本音だ。まあ後は一番肝心な頭(高次脳機能障害)

 

の最終的な等級確定が出て症状固定をした上で

 

最後の話し合いをさせてもらうとして、今回は

 

取りあえず中間ではあるが署名捺印させてもらいます。」

 

と、何様のつもりかと首をかしげる言葉に、「やっぱり最低の

 

人達だな」と思った。

 

交渉を担当した我々の前で、大手ゼネコンの支店長に

 

対しても、高飛車な態度であり、呆れてものが言えないとは

 

このことである。

 

・・・・・続く