中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

建設現場の示談交渉は大変(3)

・・・・・前回から続く

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確かに大けがをしたのだからそれ相当の要求をするのは

 

当然だと思うが、この夫婦の場合は社会一般的に、

 

絶対に認められないような権利の乱用が多すぎる。

 

事実、どこの病院に行ってもわがまま放題で、

 

病院スタッフから、この夫婦の異常で過剰な被害者意識を

 

何とかしないと話はまとまらないであろうと言われていたものだ。

 

我々としては早く民事上の解決をしないとあれこれと

 

要求してくるので早くしたいとの気持ちが強い。

 

また民事上の解決をしておかないと、事業者責任として

 

労働基準局から業務上過失致死傷罪などの処分に影響する。

 

 

健康の結論

健康の結論

 

 

Cさんは被災事故当初は3人の中でも一番の重傷で、我々の予測では

 

5級くらいではないかと思っていた。

 

 

しかし、時間が経過するとともに各損傷箇所が治癒してきており、

 

アピールできる部位は頭くらいになってきている。

 

その頭も自覚症状しかなく各症状がないので

 

訴求ポイントにかけるのは否めない。頭がズキズキすると

 

言われても第三者には分からない。MRIなどで診察しても

 

担当医曰く、「もう治っているはずだが」との事で、我々としたら

 

嘘を言っているとしか思えないのが実情である。

 

C夫婦は等級引き上げを得意とする医師と弁護士を探し出し

 

綿密な打ち合わせをしながら取り組んでいるところだ。

 

まだまだ時間がかかりそうで、嫌気がさしてくる。

 

労基としては多岐に渡る症状固定でもバラバラで提出せず、

 

まとめて提出するように言われており、頭以外の後遺症診断書は

 

もう既に用意済みである。

 

頭(高次脳機能障害)の診断書もすでに作成済みだが、

 

それを代理人弁護士と等級引き上げの為に弁護士が

 

連れてきた脳専門の医師が綿密な打ち合わせをしながら

 

小細工をしているから時間がかかっているのだ。

 

予定等級より上がれば上がった分、弁護士も取り分が増えるから

 

必死なのだろう。

 

 

C夫婦たちは慎重に時間をかけてやるつもりみたいだが

 

こちらとしては早く終わってこの件から離れたい。

 

話は前後するが、C夫婦との民事上の元請との

 

和解契約は、事故から翌々年の4月に、1年8カ

 

月かかったが、障害者等級12級で締結済みである。

 

示談が終了した被災者に何でいまだに

 

振り回されているのか説明しよう。

 

3人の内、最初の一人は事故発生(8月から8

か月後)の翌年4月に示談が

 

成立し、二人目は事故発生後1年半後の2月、

 

無事に示談が成立した。残すはC夫婦だけ。

 

 

 

C夫婦は口では私たちは重症だから特別扱いん

 

だとの認識で、我々に大きな態度でゆっくりや

りましょうと当然のように言ってきたのだ。

 

 

 

しかし、時間が経過するうちにその重症も徐々に

 

回復してきており、早く示談をしなければ損傷箇所が

 

殆ど回復したのでは賠償金が低くなるのではと、

 

相当焦ってきたのである。

 

愚か者がやりそうなことで笑ってしまう。

 

事実として様々な損傷個所である皮膚・骨折・

 

尿管狭窄などはほぼ完治状態である。

 

したがって、示談金の算出には後遺症等級12

 

級が妥当であろうとの結論が出たのでその等級

 

を基準とした賠償額をc夫婦に伝えた。

 

それを伝えると烈火のごとく怒りだし、事前交

 

渉は恐ろしい戦場と化してしまい、そこからが

 

想像を絶する

 

醜い争いとなってしまったのである。

 

しかし、C夫婦もこのまま時間が経過すると損傷箇所が

 

回復してしまい、後遺症すら認定されなくなると

 

ますます賠償額が少なくなることを心配している。

 

そして早めに示談を成立したいといってきたものの

 

我々が示した12級では到底納得できない。

 

そこで今までの入院の経緯や結果として完治したかもしれないが

 

手術なども含め、相当怖い思いや嫌なこと・屈

 

辱的なことをしたことを訴求ポイントとして攻

 

めの材料に使ってきた。

 

またとっておきの武器は被災時頭を打ちクモ膜

 

下の状態があったことで、いつまでも頭が痛い

 

と演技をしており、またその後遺症が残ること

 

を何の根拠もなく強くアピールしているのだ。

 

 

 

今までも、趣味のように自分がネットで全国の

 

名医を探索し、我々に「この病院がいいから連

 

れて行け」と催促してきて連れて行ったものだ

 

った。

 

だがその結果は、幾多の病院でMRI撮影をしたがどこも

 

完治の状態であるとの医師の説明である。

 

本当に自分の体を治したいのか、それとも高額

 

賠償金を狙って悪い結果が欲しいのか分からな

 

い状態である。たぶん後者だろう。

 

だから弁護士とそういうことの専用の病院医師

 

を使い等級引き上げの画策を時間をかけて同時

 

並行的に画策しているのだ。

 

大変ご苦労なことだが周りが振り回される。

 

いい加減に諦めてほしいものだ。

 

こうやって民事上の示談が予想以上に早く成立したのは

 

早くしないとけがが治り、賠償額が少なくなるのを

 

心配したからだ。

 

4月の上旬に急遽に示談がしたいと言ってきて

 

取りあえず、いったん12級の等級で和解契約を締結し、

 

後で頭の後遺症をでっち上げるつもりだろう。

 

5級が認定されたらその差額を請求するという魂胆だ。

 

あれだけ、自分たちは他の二人と違い重症患者で

 

特別待遇は当然だと傲慢な態度をとっていたのに

 

時間が経過し、損傷箇所が次々と治癒していくなど

 

他覚症状がなくなり、本人のアピールのみである

 

自覚症状しかないのが実情となっている。

 

我々もまさかこういう展開になるとは想像もしておらず

 

3人の中で一番長く入院させたり、個室を用意したりと

 

いたせりつくせりの対応をしてきただけになんとも

 

言えない結末を迎えようとしている。

 

 

3人の中でもある程度軽度ではあるが左右の足の長さが

 

あるとの事で労災等級で10級が認められた人がいるだけに、

 

これだけ多岐に渡ってケガをさせられ幾度となく手術をした自分が

 

12級の民事評価とは到底受け入れられないと激怒していたものだった。

 

しかし、我々も相当の根拠がなければ賠償金の不当な上乗せは

 

できないとずっと固辞する姿勢は崩さなかった。

 

ここからがすごい展開となった。

 

・・・・・続く