中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

建設現場の示談交渉は大変(2)

・・・・・・続く

 

我々も対応に苦労したが、取りあえずは「精一杯努力して

 

納得してもらえるよう頑張ります」と言うしかなかった。

 

奥さんは我々に「次に来る時に、どういう対応をしてくれるのか具体的な内容を書面に

 

して持ってくるように。」と言われた。

 

 

新 示談交渉の技術―交通事故の想定問答110番〈2012年改訂版〉

新 示談交渉の技術―交通事故の想定問答110番〈2012年改訂版〉

 

 

 

やり手の奥さんでここぞとばかり責めてくるような人である。

 

加害者が大手ゼネコンという事で要求度合いも大きくなってくるような気がして

 

この先が怖い感じがする。

 

 

 

Cさん夫妻からすれば、ひょっとしたらこの事故は

 

ラッキーだと思っているかもしれない。

 

千載一遇のチャンスと思っているのではなかろうか。

 

と言うのも、この夫婦は噂によれば別居中で、

 

離婚話も出ていたと聞く。

 

奥さんの演技力は素晴らしく、いかにも仲の良い夫婦が

 

引き裂かれた感じを醸し出した演技である。

 

とにかくお金の要求しかしてこない。

 

また他の二人はそれほど言ってこないが、この奥さんばかりは、

 

「個室に入れろ」や「看護の為に自分がパートを休み長期休暇を取るから、

 

休業補償をしろ。入院する為の準備に相当なお金がいるから先にいくらか

 

用意して持ってこい」とか限度を超えた要求を当然のようにしてくる。

 

過剰な被害者意識と要求先がお金をたっぷり持っていることを

 

計算した打算的な奥さんだ。

 

実は相手が大きければ大きいほど手続きもきっちりしているから

 

あまりお金は出せないことを、あまりわかっていないみたいである。

 

規模が中途半端な会社の方がまだ言いなりになる会社が多いのが

 

実情で、大きければそれ相当の防御策をきちんと仕組みとして確立しており

 

社会通念上、妥当とされる額しか出してこない。

 

悪しき前例はつくらないようにしているのだ。

 

Cさん夫婦の異常なる被害者意識に日々翻弄される。

 

事あるごとにあれしろこれしろ、これが必要だからお金を

 

用意しろと言いたい放題である。

 

 

 

巨大な組織にたかる寄生虫のようだ。

 

この事故をきっかけにこの夫婦は仲が良くなったようである。

 

他の二人があまり言わないので目立つのも事実だが

 

病院にもわがままを言い放ち迷惑がられている。

 

私達は100%被害者だから何でもしてもらえると思っているのだろう。

 

何か気に入らなければすぐに弁護士を立てて争う覚悟があると言い

 

こちら側を牽制する。

 

 

双方が弁護士を立てて争う方がCさん夫婦にとっては

 

時間とコストがかかり損になることが分かっているはずなのに

 

こちら側が社会的立場が悪くなるからしてこないだろうと読んで

 

いるのだろう。

 

担当者の私に色々とこちら側の様子を伺ってくる。

 

私も嫌われると交渉がやりにくいので一定の距離を保ちながら

 

いかにもCさん夫婦の立場に立って考えている振りをするのが

 

精一杯だ。

 

私は常に「できることできないことがありますが、出来ることは

 

精一杯やらせて頂きます」と説明しているがその線引きが難しい。

 

他の2人は何も要求してこないのでこちらの方から色々と

 

動いて不自由な状態を少しでも良くしてあげようとしている。

 

えらい違いである。

 

またCさんはその大手ゼネコンの下請けとして長年お世話に

 

なっているはずなのに、恩をあだで返すことを平気でしており

 

所属する下請け会社の社長も困り果てている。

 

とにかく相手が大きいだけにふっかけてくる額も大きい。

 

奥さんは再三に渡って主人の体はもう元には戻らないので

 

相当額でなければ納得できないと執拗に攻めてくる。

 

金額を聞くと最低でも一億だと答える。

 

社会一般の常識でこういう事故の損害賠償は既に弁護士基準が

 

定められており、過去の判例などを参考にしながら決められるもの

 

である。

 

理不尽な要求は「権利の濫用」として認められることはない。

 

そのことを親切丁寧に何度も説明しているが、私たちは他の人と違い

 

特別扱いされていると思っているのか聞く耳をもたない。

 

事あるごとに「もっと上の人間を連れてこい。これが必要だから金を出せ。」

 

など言いたい放題である。

 

 

 

事故前の生活が厳しかったのか、これはチャンスとばかり相当なお金に

 

対する執着心だ。

 

自らが加入している保険から入院給付金などお金が入ってきているのは

 

我々に黙っている嫌らしい性格の夫婦で嫌気が差す。

 

奥さんの頭の中にはご主人の回復より高額の賠償金によるリッチな

 

生活しかなさそうだ。

 

またCさんも同様な感じである。

 

Cさんにしてみれば今まで定収入だったので家族から見放されていた

 

所もあるのであろう。

 

この賠償金で家族を見返し、また父親としての貫録を

 

見せたいのであろう。

 

とにかくここまで見苦しい夫婦を見たことがない。

 

他の2人は入院が相当苦痛らしく早く退院したいと言ってくるが

 

Cさんはずっと入院しときたいと、本来ならできない事を病院側と

 

交渉し、病名を変えて新規入院手続きをするなどあの手この手を

 

使って入院延長を求めてくる。

 

 

 

Cさんにとっては退院して自宅で療養よりも病院の個室で

 

悠々自適に過ごせるし、加入している保険会社からの入院給付金が

 

もらえるのでその方が良いのであろう。

 

事故から半年を過ぎて入院しているのはCさんだけとなった。

 

しかし、8か月が過ぎ、病院側も入院延長の限界という事で

 

入院打切りを通告してきた。

 

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この事に対しCさんは激怒し何とかしてくれと私に要請してきた。

 

奥さんもこんな中途半端な体で帰ってきたら困るので何とか入院

 

延長できるように交渉してくれと言ってきた。

 

通常、一家の大黒柱が長期入院を終えて、家に帰ってくるとなると

 

家族は喜ぶはずだがこの家族はどうも違うみたいである。

 

ここまで本来ならできないことを特別にやってくれた病院側には

 

もうお願いすることは無理であろう。困った問題である。

 

 

 

事故発生から2年を過ぎているのに

 

いまだに後遺症等級の確定がしていないというか、まだ

 

労働基準監督署に後遺症認定の手続きを出していないというのが

 

異常な問題である。なぜこうなったのか。

 

それはC夫婦が等級引き上げに強い執念を持っていて

 

弁護士を使っていろいろ画策をしているからだ。

 

・・・・・続く