私もそうだったが、私の周りには「相続」が「争族」になっている人が多い。昔は仲の良かった兄弟もそれぞれが独立して、家族という守るものができると、それらを優先するので、少しでも他の兄弟よりも多く親が残した財産を取ろうとするものだ。
令和元年度版 プロが教える! 失敗しない相続・贈与のすべて (COSMIC MOOK)
- 作者: 相続サポートセンター(ベンチャーサポート税理士法人)
- 出版社/メーカー: コスミック出版
- 発売日: 2019/05/01
- メディア: ムック
- この商品を含むブログを見る
また配偶者などがケシかけたり、入れ知恵をしたりするからタチが悪い。生活に困窮している相続人の場合、千載一遇のチャンスとばかり、ややこしいことを言ってくるものである。
私の知人の家も、亡くなった父親の遺産分割協議が今だにできていない状態らしい。母親と同居していた独身の弟が、母親が軽い認知状態であることを利用し、相続財産の使い込みをして、それが原因ですったもんだしているとの事である。
知人曰く、やってしまったことは悪いことだが、例えば自分の為に使い込みをしたのならともかく、今付き合っている女性に貢いでいた事に激怒している。亡き父が残された家族の為に残した財産を、無断で他人の為に持ち出すことは、許されない家族への裏切り行為である。しかも責任を追及すると反省せずに開き直っているので呆れてしまうらしい。
相続財産と自分の金との区別ができない情けない弟をとにかく叱ったそうだが、元に戻せときつく言うものの、無資力なのでどうしようもないようだ。それでもって、家のリニューアルをするとか言ってくるらしく、どこにそんなリフォーム費用があるのかと、きつく問い質したりするなど、そういうやり取りで相当に疲れるようである。
家族に迷惑をかけないために 今、自分でやっておきたい相続対策 (DOBOOKS)
- 作者: 堀口敦史
- 出版社/メーカー: 同文舘出版
- 発売日: 2018/09/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
母親もまだ健在なので、あまり騒動にしたくないから、怒りを抑えているようだが、相当辛そうであった。
父親が亡くなった後のことを家族で話し合った時に、「兄貴は家族もあるし、大阪から帰って母親の介護は大変だろうから、自分が母親の面倒を見る」と言ってくれたので喜んだようだ。そして都心で一人暮らししていたのを引き払い、仕事も近くで探すと実家に帰ってきたらしい。知人もできた弟だと感心していて、弟に感謝していたが、結局、弟は金目当てだったのかと今悔やんでいる。
本来なら親が残した遺産を当てにするのではなく、自らが額に汗して稼ぐものである。だがみんなそういう泡銭に必死に集っている。そんな労せずに不当に得た金で幸せは掴めない。