煩わしい人間関係から卒業したい、会社ではできない事を実現したい、と独立を目指している人が増えている。どうせ苦労するなら、他人の犠牲になるのではなく自分の夢の為に苦労する方がいいだろう。
今、起業相談に来ている若者は、深夜ホテルのバイトをしながら起業費用を準備中だ。いつも朝、起業用に借りたレンタル事務所に出勤しているがそれは夜勤明けの出勤だ。僅かな仮眠でそのまま起業準備をしており、疲れている筈なのにやりたいことや将来の夢が明確に定まっているので、ずっとアドレナリンが出ているので目は輝いている。「本気度」が強烈に伝わってくるので応援してあげたいと思う。その前に高速道路を最高速で走りっ放しの現況を注意し、少しはサービスエリアで休息を取るように促したい。
その一方で、「会社を辞め起業するんだ」と意気軒昂な若者がいる。起業目的は今の会社を辞めたいから、人に使われるのが嫌だからといった安易な考えだ。現状回避を目的とした会社設立がうまくいく訳がないので考えを改めたほうがいい。
また夢の実現に向け会社設立はいいが設立は目的ではなく手段。目的は存続である事を認識せねば。経営理念やビジョンがなく、支えてくれる人がいないなら存続は難しい。徹底した企業の事前準備をした上で進めよう。「後悔先に立たず」にならぬようにしなくてはならない。
創業して事業年数を重ねると中小企業でも複数の事業を抱える会社は多い。経営理念のない会社は、儲かると思うと色々な事業に手を出すので、何が本業か分からなくなっている。そんな会社は事業単位での損益管理がされず、成長性の予測精度も甘い。どの事業に経営資源を重点配分するかも不明確。結局、総てが中途半端になり廃業の道を辿るケースが多い。気をつけよう。
起業を考えたら必ず読む本 (Asuka business & language book)
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