一時期、同業態の「日高屋」に圧倒的な差をつけられ、経営危機が報じられた「幸楽苑」の業績が急速に回復し、今や数少ない外食の勝ち組になっている。株価も前年比倍増と株主も驚異の業績回復に驚いている。
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そもそも「幸楽苑」の業績低迷の原因は、①売り物であった低価格ラーメンの値上げによる客離れ、②郊外型を中心とした出店戦略だったが都心回帰の流れもあり駅前を中心に立地戦略を展開し居酒屋客も吸引して業績を伸ばした「日高屋」に差をつけられた、③従業員が調理中に指を欠損しそれが料理の中に入っていたという不測の事態が発生し、それが瞬く間に酷評として広がり顧客離反が加速した、等が業績不振の原因であった。
そこで新たに経営陣が選択した新経営戦略はプライドを捨て、他社の経営資源を有効に活用した成長戦略であり、V革の主要因である。今まで商圏内で同じ「幸楽苑」がお互いにお客さんを食い合いしてグループ内で競争しあっていた。それを「いきなりステーキ」へのFC加盟で食い合い(カニバリゼーション)を解消し直接的な売上増大に繋がった、間接的には「幸楽苑」の社員への奮起の促進、等である。
ラーメン・つけめん タレの技術教本―人気ラーメン店の「タレ」の配合、材料、味づくりの考え方 保存版
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社内に成熟事業と成長事業を抱え、双方で競い合うことで組織の活性化にもつながった。次の手は焼き肉業態へのFC加盟で「いきなりステーキ」にも緊張感を与えているようである。確かに「いきなりステーキ」のお蔭でV革のきっかけにはなったが、恩は感じながらも今後の取引としての力関係を考え、咬ませ犬的な新事業で「いきなりステーキ」にも取引先として競わせるようにしているのであろう。なかなかしたたかな会社であり、今後の展開が注目される。
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