日本の中小企業で60歳以上の経営者の中で後継者不在は48%、総ての経営者67%が後継者問題に直面しており、中でもサービス業や建設業が深刻だ。なぜ建設業やサービス業に後継者不在の会社が多いのかは、これらは小規模零細の会社が多く、経営基盤も脆弱で継ぎ手の子もいなければ継がせようとする気もない会社が存在する。自分の時代限りと決めていた会社も多いのが実情だ。特に建設業は一人親方の個人企業が多く事業承継の概念がなく、親方が若い子を使っていてもその子に自らが築いた事業基盤を引き継ぐよりも、その若い子が職人としてやっていけるくらいの経験を積んだら独立する例が多い。だから事業承継よりも創業でやっていくのである。
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そういう例はともかく、早く着手すればいいのに未だに事業承継を先送りしている会社が多く、後継者の選定も教育もせず、突然に承継となったらどうなるか?その状態でムリやり押し付けられた後継者は何をどうすればいいか分からず大変だ。残された人達の事を考え計画的にやらなければならない。今までその会社は多くの人に支えられてやってきたはずである。周りの人に迷惑をかけることのないようにせねばならない。
使う?使わない?新・事業承継税制の活用法と落とし穴 平成30年度税制改正
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今、社会は未婚・晩婚・晩産化の流れである。女性の育児と介護の重複が問題視されているが事業承継でも同様だ。引退適齢期までに後継者を選定し時間をじっくり時間をかけて円滑な事業承継をしなくてはならない。事業承継は5~10年の準備期間が必要である。これらを逆算して後継者の準備をしなくてはならないであろう。2025年には245万社の会社社長が引退適齢期になるがそのうちの半分の127万社の会社は後継者不在である。6年なんてあっという間に過ぎるだろう。黒字高収益企業もその中にたくさん含まれている。日本経済社会の大きな損失をもっと認識して事業承継の準備を進めよう。