中小企業診断士/行政書士 中村事務所

飲食店支援専門の中小企業診断士行政書士です。事業承継の支援も致します。

悪質な動画投稿で被害を受けた企業の株主は気の毒である!

悪質な動画投稿で被害を受けた外食やコンビニなどのチェーン企業。「大戸屋」も全店を1日休業して再発防止策を徹底した。1億の利益を失うようだが、こうして各企業がふざけたアルバイトによって迷惑を被っており、中にはこのバイトに民事・刑事で責任を追及するなど法的手段を講じる企業もある。当然のことだとは思うが、この企業側の姿勢を報道を通じて発表しているのに、なかなか事態が沈静化しなかったのが不思議で仕方ない。

 

直観の経営 「共感の哲学」で読み解く動態経営論

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この被害で各企業の株価も下落したがこの損失を株主は会社に、または直接アルバイトに請求できるであろうかという質問があった。これに対してある弁護士は「株式投資は自己責任によるものであり、株価の下落での損害賠償はできない。できるケースは会社が虚偽記載をするなどして金融商品取引法に違反した場合であるとの事である。では会社が損害賠償をする時の賠償額の算定においては実際の被害(休業し社員教育をするなど計画していない経費が発生した時、現場に使われた調理場の清掃作業、食材廃棄の損失、売上減少については相当な因果関係を立証できる場合)らしい。またこれらを会社が何も請求しない時は、株主代表訴訟を提起することになるが、株主代表訴訟はあくまでも取締役の任務懈怠責任を追及することであり、アルバイトへの直接請求ではない。もしも取締役の責任を追及できても、それらは会社に返ってくるもので、株主に直接返ってくるものではないとの事である。やられ損の感は否めない。

 

 

経営者になるためのノート ([テキスト])

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