創業時は皆を経営に参画させ民主的経営を実践してきた。
成長に伴い皆が「自分の会社」との認識で一生懸命働き
わが子の成長のように必死であった。成長利益の果実の
分配期待もあり一致団結して会社のさらなる成長に努力
する日々だ。だが成長が鈍化しだし踊り場で停滞する中で
過度な意見をする者も出てきて意に沿わない人が続出して
きた。それらを邪魔だと外し従順な連中ばかりで自分の
周りを固めた結果、イエスマンばかりの指示待ち人間の
集合体となってしまった。そして独善経営をした結果、
その連中も離反し孤独な社長になり事業継続が
不能状態に陥ってしまった。「企業は人なり」を念頭に
経営しなくてはいけないことを実感した社長であった。
また社長の役割は会社を持続させる仕組みをつくり、
後継社長を育成する事である。新社長を支える社員にも
やりがいと組織への忠誠度を高め、公正な評価と適切な
処遇をしながらの協同体系を確立する事は肝要だ。自律
分散的に個々の社員が、最適化された働き方が可能な
体制を構築すれば、社長はビジョンを語るだけでいい。
そして会社の運営は皆に任せて社長は幅広い視野で、
経済社会の変化を見通し、自社の経営戦略を新社長と
協議してしていかなければならない。