日本の小売市場は欧米とは違い上位企業による
寡占化は進まない。二強のイオンとセブンでも
両社計で14兆円、140兆市場の10%だ。通常、
チェーンストアは規模の利益があるが日本では
限定される。規模の経済が発揮できるのは大手
食品メーカーや消耗材メーカーが販売するナシ
ョナルブランド品が大量仕入れによるコストダ
ウンができた場合くらいだ。欧米のように、週
末に大手ディスカウントなどでまとめ買いをす
る習慣が日本にはない。日本の消費者は生鮮三
品に対する鮮度要求が高く毎日買物する習慣が
ある。その結果、全国大手より地場スーパーの
方が生鮮市場や卸を抑え優位性があるからだ。資本力のある全国大手が地場スーパーを買収
し、より規模のメリットを追求しようと思いお
いしい買収提案を地場スーパーにしても、単独
でも存続できる地場は話に乗らないのが正直な
ところだろう。
今後、業態間競争も激化する中で、メーカーと
商社や小売など流通環境がどう変化するか目が
離せない。