中小企業診断士/行政書士 中村事務所

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訪日個人旅行の解禁と全国旅行支援!

訪日個人旅行の解禁や入国者数の上限撤廃などコロナによる水際対策が今日11日からやっと緩和された。

 

国内に於いては問題になっている円安のメリットを生かしつつ、日本と海外の国際的な交流を一層活発化させるもので、日本の社会経済活動に大きく寄与するものと考えられる。

 

早速、成田空港には多くの外国人観光客が到着し、観光客たちは「この日をずっと待っていた」と喜んで話し、意気揚々と全国各地の目的地に向けて旅立った。

 

日本のニュースをずっと気にして、早く寿司やラーメン、天ぷらなど高級和食が食べたいと願っていた外国人。人気の京都や大阪に行くのを楽しみにしているようだ。

 

 

 

同時に今日11日から始まった観光需要の喚起策「全国旅行支援」も観光地や旅行者にとって大歓迎の企画である。一部自治体で開始や終了の時期や内容が異なっていることについては若干の不安もあるが、国も「旅行者などに混乱が広がらないよう適切に対応していく」と言っているので安心であろう。 全国旅行支援は、上限付きで代金の40パーセントを割り引くもので、11日から開始され、12月下旬まで行われる。

 

今まで我慢を強いられた観光関連事業者や自粛を要請されていた旅行者にとって最高のプレゼントであろう。観光関連事業者はしっかりと稼ぎ、旅行者はゆっくりと旅を満喫してほしい。

 

 

かっぱ寿司問題!

「カッパ寿司」問題が世間を賑わかせている。同じ業界の経営陣が営業秘密持参でライバル社の社長に就任していたら業界の秩序が乱れるのは当然であろう。特に外食業界は雇用の流動化が活発で会社に対する忠誠心が少ない人が多い。

 

だから平気で裏切って同業に転職する人が後を絶たない。7400億円ある人気の回転寿司市場。過剰な競争の中で手段を間違ったようだが、老若男女と幅広いお客さんに支持されており、特にお子さんはいつも楽しみに来店されている回転寿司。そういったお客さんの期待を裏切らないように願いたい。

 

 

外様がライバル社の営業秘密を武器に「かっぱ寿司」に招聘された。生え抜き社員はこの現実をどう受け止めたか。新卒で入社しこの会社一筋に頑張ってきた社員、社長や会社に対しても忠誠心が高く忠実にイエスマンとし、自らを犠牲にして頑張ってきたのに、卑怯な手口で目標としていた社長の座を奪われたら、すごい挫折感と招聘を選択した創業社長を恨むであろう。

 

私も外食チェーンで勤務していた経験がある。勤務していたその会社の創業オーナーはブランド好きで有名外食企業で実績を上げた著名な経営者をヘッドハンティングして営業本部長として自らの下に就けてきた。招聘する際は三顧の礼でお迎えし結果を出せなかったら1年サイクルで更迭するといった冷徹な方であった。だから大概の古参社員や時期幹部候補生はお客さんを見て仕事をするのではなく、自分の保身と出世欲の為に社長を見ながら仕事をするといった悪しき社内雰囲気が定着していた。

 

異例の大出世をとげた原動力は、不正に入手したライバル会社の営業秘密というが、そもそも不正競争防止法による営業秘密とは、①秘密として管理されている[秘密管理性] ②生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報[有用性]であって、 ③公然と知られていないもの[非公知性]と定義しており、この3要件全てを満たすことが必要らしい。

 

だが、今回の仕入れデータがこんな事件になり逮捕されることになるほど必要だったのだろうか。商品部や購買部に行けばいくらでも持ち出せるのではと思うが回転寿司業界では相当に重要なデータだったのであろう。

 

外食チェーンにある運営マニュアルや調理レシピは特に重要な営業秘密として管理されていない外食店は多い。模倣が容易で流行るとすぐに追随される外食業界。知的所有権で保護することまでは費用対効果から勘案してしていない。しても商標権くらいであろう。

そんな業界で、離職者が調理レシピ、創業来の秘伝のたれやソース、サービスマニュアルといった本来秘密にしなければいけないものを転職先に平気に渡す中堅クラスの社員は多いと思う。営業秘密に関する意識が低いから罪悪感もない人もいたと思うが、今から考えると怖い話である。

でも、ここまで企業イメージを低下させるほど営業上必要だったのかが不思議である。自社のイメージ低下による客離れで発生する機会損失により生じた売上の大きな損失、また、はま寿司に対する損害賠償額を考えると、取り返しのつかないことであろう。自らの今まで築き上げたキャリアも台無しである。

 

写真はスシロー。

2021年の回転寿司業界の勢力図を見ると売上で1位・スシロー、2位・くら寿司、3位・はま寿司はいずれも1000億円を超えているが、続く4位のかっぱ寿司は約648億円と話されている。しかも最近のかっぱ寿司は、業界大手一人負けとも言える大幅な赤字が続いており、その巻き返しに倫理観の欠落したことをしてしまったのであろう。

 

昔は回転寿司と言えば「かっぱ寿司」でTVのCMでも頻繁に流れていたので絶対的な位置づけを持っていたと思う。それだけに今回の事件は寂しいものである。一度、失墜した信用を取り返すのは相当に大変だが、頑張ってほしい。

 

外食を取り巻く環境は厳しい!

日本は外食慣れした人が多く、品質に対する目が厳しいからコスパの評価も手厳しい。昔は情報量も店の方が優位だったので、情報格差から店側が主導権を握り料理の価格や内容などを決め客は出された料理を食べ請求された代金を支払うのみだった。だからある意味、店側も儲かっていたところがある。

 

しかし今は、簡単にグルメ情報を検索できるなど、ネットなどを通じて客の情報量が多くなり、店側の優位性がなくなりつつあるからやりにくい。情報武装したお客様への対応は簡単ではなく、それらが結果として店側が楽して利益を確保する機会が減り、飲食店の営業利益の低下を招いている。

 

また、店に対して客が不満に感じたらSNSですぐに発信し、店側が叩かれるケースが増えている。昔は料理撮影は禁止だったが、インスタ映えの時代にそんな事を言ったら笑われ顧客は二度と来ない。もちろん料理は目で食べるものでもあるが、店によっては味よりも見栄えを重視している店もあるからおかしい。他店の写真をSNSで見て真似する店も多く、模倣料理が増え、個性がなく差別化する事も難しくて大変である。

 

最近の飲食店は、円安・物価高・人手不足など店を取り巻く外食環境には逆風が吹いている。ファミレス日本一の店舗数を誇るガストも100店閉店するようである。がストは豊富な品揃えと低価格を武器として店舗を増やしてきたが、今年に入り値上げを続け、来月からも値上げする。

 

物価高や人件費高だから仕方ないだろうが、顧客離反を加速させまた更に店が減るのではとガスとファンの人達は心配してしまう。2位のサイゼリヤが追随しており競争がより激化しそうだが、適度な競争は喜ばしいこと。だが、過剰な競争は店の撤退が相次ぎ、お客さんの為にもならないので避けてほしいもの。

 

その物価高であるが、マクドナルドもハンバーガーなど約6割の商品を明日から値上げする。だが値上げしても、ビッグマックアメリカと比較すれば3分の1程度らしく、日本ではいかに安く売られているかが分かる。

 

ビッグマック指数を見るとベトナムよりも日本の方が安いとのことである。円安、日本のデフレ、アメリカのインフレは深刻だ。採算が取れず日本から撤退する外資も多いようだが、今後どうなるか、この点も心配になる。

 

加えて、これはコロナ前から問題視されていたが、飲食店の人手不足は深刻な問題である

いつも店が開いているはずの、ご飯食べ放題の定食チェーンの「やよい軒」だが、先日閉まっていた。

 

昨日、行って聞くと人手不足で、社員も休めない状態のようで、今は水と金を定休日にしているとの事。飲食店でこれだけ休みがあるというのは信じれないことである。開けたくても人がいない為に開けられないとは誠に残念であり、経営が厳しくなるのは当然である。子のように、コロナ禍の人手不足は特に深刻で、どの店もバイトのシフトを組むのに苦労している。これから先、どうなるか心配で仕方ない

コリアタウン!

がある若者たち」をターゲットにバリエーション豊かなカフェ&スイーツのオープンを計画している。おしゃれなスタッフを集め、お客様を刺激しながら韓流ブームへの好奇心を醸成し、且つ、快適な雰囲気でくつろげる店を目指している。

その店はK―POPや韓流ドラマ、美容などを通した韓国ブームでにぎわう「コリアタウン」ゲートの近くに立地する。コリアンタウンを構成する3商店会がこの度統合し、一般社団法人「大阪コリアタウン」が設立された。

 

商店主の日本人や在日コリアンらが協力して公衆トイレを運営、路上販売や車両通行にも統一ルールを設けている。 東西約500mをつなぐ御幸通、御幸通中央、御幸通東の3商店会が統合。ブームにあやかって進出した店舗も巻き込み、道路の清掃や集客イベントも行う。コリアタウンはJR鶴橋駅の南東約1キロにあり、西日本随一の韓国文化の聖地であり、コロナ前の2019年には約200万人が来場している。そういった恵まれた市場環境に立地している。


 

2020年の4月頃から、未曾有のコロナウィルスが原因で在宅勤務や外出制限などで、ステイホームを余儀なくされ、それに伴い急成長を遂げたのが余暇の定番のお供「映像配信サービス」だった。「Netflix」や「アマゾン・プライム」、U-NEXTなどで、ドラマや映画を気軽に楽しむ人数が爆発的に増加した。そんな中、Netflixで配信されている「愛の不時着」「梨泰院クラス」を始めとする韓国ドラマが面白いと一気に話題になっている。そうやって、在宅時間が長くなったことで、今まで韓流に触れていなかった層まで巻き込んで起こったのが現在の「第4次韓流ブーム」の到来である。

第3次韓流ブームは、主に韓国グルメがきっかけで巻き起こり、同時期に「インスタ映え」が流行、競うようにインスタ映えするグルメが次々と生まれた。とろ~りチーズが美味しそうな「チーズタッカルビ」やカラフルなスイーツ「トゥンカロン」などの韓国グルメはまさにインスタ映えにうってつけで、SNS映えを意識したアイテムが次々とヒットした。その流れのまま第4次韓流ブームが到来しているのである。

そういった背景の中、韓流ブームは一過性ではなく根強く顧客に支持されており、それらを千載一遇のチャンスとばかり、コリアタウンが点から線、線から面と魅力を広げて自然発生的に集まった各店が一体感を維持しながら商店街の魅力を訴求し、賑やかさを増している。

外食市場に於いては、インフレ加速による生活防衛意識の高まり、生活様式の変化(ディナー減少)ファミリー層、飲み会の需要減少、中食・内食の拡大などが原因で採算性向上の為に重要なディナー売上が減少している。しかし、コリアタウンを形成する外食店に於いては、多くの店が行列ができて商売繁盛のようだ。一つの店では何もできない。商店街が将来を見据え団結して町興しをしている。

 


 

 

 

店を取り巻く環境も地域に於ける都市開発の一環で活性化される計画が進行中であり、そういった外部環境の街の活性化に向け頑張っていかねばならない。私のお客さんの店もこの変化を千載一遇のチャンスと捉えて、この度、居酒屋から韓国カフェに業態転換をして、コリアンタウンを訪れる多くの若者たちをターゲットにして収益を増大させ、事業継続と地域での存在感の発揮を実現していきたいと計画している。楽しみである。

 

 

 

 

結婚したくない若者が急増中!

少子高齢化が問題視される中、一生結婚しない男女が14%以上と過去最高になっている。
 

(結婚の意思に関する独身者の回答結果)

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正規社員になれず派遣社員で生活する人も多く、また30年賃金が上がっていない状況から、将来不安が強く、安心して家庭を持てないという理由もあるようだ。
 
でも、知り合うきっかけが少ないのも問題と指摘されている。昔は職場での出会いが多く職場結婚が多かった。しかし、今はSNS等のマッチングサイトに依存する人も多く、知り合うきっかけに少し問題があると思う。コロナ禍のテレワークによる弊害がここにあるようだ。
 
なんだかんだ言っても職場で知り合い、お互いを理解し合う時間の長い職場結婚が一番いいと思うし、我が家もそうだ。
 
しかし、このまま少子高齢化が政府が想定していた予測よりもかなり早いペースで進行すると、年金や社会保障もより早めの対策が必要になる。現役世代3人が1人の高齢者を支える状況が近々2人で1人の高齢者を支えるのは、待ったなしの状況だ。
 
この状況と将来的に続く負担増に若者世代は嫌気を差し、若者と高齢者の間が分断されることが心配される。小手先の対策で、高齢者の雇用延長などによる社会保障費用を負担させても、たかだか知れている。何とか抜本的な少子化対策を優先順位を高めて講じて欲しいものである。
 
そうしないと、「どうせ我々世代は将来年金がもらえない」と若者世代を中心に現役世代が年金を納めなくなると、ますます社会保障の財源が厳しくなり、正直に払っている人の負担が大きくなる。そうすると社会秩序が乱れてくる心配が大きくなる。そうならないようにしてもらいたい。

物価上昇、円安で外食は大変!

コロナ禍でも「餃子の王将」は、売上構成比が4割まで拡大した持ち帰りやデリバリーが好調で業績を伸ばしている。

 

この店の優れた点は、あれだけ安くボリューム感がある料理でも原価率が30%と原価管理技術が優秀である。

 

またオペレーションの効率化も図れており、他のチェーン店と比較しても販管費率も低く利益が出やすいのも特徴。

 

客単価1000円だから一人当り700円の粗利益を確保でき、販管費も低いから飲食店にしては高収益のビジネスモデルである。

 

お客様が満足し店もきちんと利益を得るのはいい事だなと思う。これが事業継続・繁盛店の秘訣だろう。

 

一方で、焼き鳥の専門店である「鳥貴族」だが、2022年7月期の最終損益は久しぶりに11億円の黒字になったようだ。

 

3月下旬からの通常営業で客数が若干戻っているが、本業の収益力はまだまだの状態での最終黒字への転換だが、その理由は時短給付金のようである。売上は前期比30%増の202億円、営業損益は24億の赤字なので時短協力金が加わったのが大きい。

 

4月に値上げし、客離れが心配されるが、どこも値上げしているんで先がどうなるかはわからない。今後も原材料高や人件費負担など課題が多く大変な経営を余儀なくされる。

 

そんな中、「鳥貴族」はサントリー子会社である「やきとり大吉」を買収する。「やきとり大吉」は中心顧客が40〜60代で立地は住宅街などが中心である。

 

一方、鳥貴族は20~30代の若年層が多く立地も繁華街が中心で、互いの顧客を食い合うカニバリゼーションは起きにくく、共存共栄できると両ブランドを併存させる予定である。

 

元祖焼鳥店であり、私も昔よく通ったもので、焼き鳥はこの2店舗が地域の圧倒的なシェアを占有しそうである。

合併と違い子会社化だから、企業文化の無理やりの統合もなさそうで、異文化融合に苦しむことはなさそうだ。

 

 

今年に入り世界中で商品の争奪戦が激化し原材料価格や物流コストが急騰中で、そこに円安とこれから外食産業を取りまく環境は厳しくなる。

 

それらは、日本が世界市場で買い負けしているからで、特にマグロや牛肉などは顕著である。かつて世界2位の経済大国だった日本は上得意様だったが、今は経済発展で購買意欲が爆発した中国や東南アジアが上客になってきている。

 

これからもっと大変になるから、スケールメリットを狙って外食企業のM&Aは増えそうである。

ワークライフバランス!

売上や従業員数など規模の大きい会社が必ずしもいい会社ではない。それよりも経営体制が健全で、従業員が楽しく働けて、顧客が満足している「三方良し」の関係がいい会社の証とはよく言われる。

 

上に対しても下に対しても正直な上司が存在し、自己の成長を促してくれる先輩や同僚たちと働ける職場が理想的だと思う。自分の保身や権力に固執し自己中心の上司の存在とそれを放置する会社は困ったものである。

 

また、年収が高いから幸せ、低いから不幸とは限らない。高い人はその対価に見合った仕事を要求され、自らを会社に拘束されるなど酷使される例が多い。その結果、家庭を犠牲にし不幸に陥る例は多い。

 

一方、給料が低くても充実した家庭生活を送れて、休日は子供や奥さんと家族団らんの時間を過ごすなどで満足する人もいる。年収は高いだろうが、国の為に自らを犠牲にし、日々頑張っている官僚を見ていたら、ここまで自分や家族を犠牲にしてまで頑張れるんだなと感心する。

 

ワーク・ライフ・バランス(労働生活と家庭生活の調和)をもっと意識しないといけないと思う。